藤井聡太王位が就位式、永世王位の獲得に「考え抜くことの大切さと楽しさ。修正を忘れずに精進」
将棋の「伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦」を制した、藤井聡太王位(竜王・名人・王座・棋王・王将・棋聖=22)の就位式が12日、東京都千代田区の「イイノホール」で行われた。 【写真】王位杯を手にする藤井聡太王位 今期はこのタイトル戦に初挑戦した渡辺明九段(40)を4勝1敗で下して5連覇を達成するとともに、「永世王位」の称号を獲得した。故大山康晴15世名人、中原誠16世名人(引退)、羽生善治九段(54)に続いて4人目となる。また、7月に棋聖戦5連覇を果たして獲得した「永世棋聖」に続く、2つめの称号だ。 藤井は謝辞で渡辺との7番勝負を振り返り、「今期の王位戦は、苦しい将棋の多いシリーズだったと感じています。第1局、第2局と内容が奮わず、続く第3局も中盤から終盤にかけて苦しい局面が続きました。その第3局を勝てたことで第4局、第5局は気持ちの面でものびのびと指せたと感じています。全体を通して勝負の流れを感じるとともに、それに左右されない力をもっとつけていかなくてはいけないと感じたシリーズでした」と語った。 永世王位の獲得については、「本当にうれしく思っています。4年前に王位戦で初めて2日制のタイトル戦を経験して、考え抜くことの大切さと難しさ、その楽しさを実感することができました。これからもその修正を忘れずに一層、精進していきたいと思います」と続けた。 今回の就位式では囲碁の井山裕太王座(碁聖・十段=35)が祝辞を述べた。「井山王座のように長期にわたって活躍していけるよう、これからも取り組んでいきたいと思います」と締めくくり、大きな拍手を浴びていた。