2026年までに30車種導入!? 日産「来年からの新車ラッシュ」で挽回なるか
価格の高いハイブリッドは、利益率も高い。アメリカ市場でもハイブリッドをしっかりと展開できていれば、収益もそれほど悪化しなかったのではないだろうか。 こうしたラインナップ刷新のタイミングの悪さとハイブリッドの不在が、今期の不調の近因と言えるだろう。 ■11車種中6車種が“売りづらいクルマ” では、遠因は何だろうか。いくつも考えることができるが、筆者はモノづくりをリードするマネジメントに問題があるようと思っている。具体的に言えば、製品ラインナップが市場のニーズと合っていない。
アメリカでモデルチェンジの端境期を生んでしまったように、日本でも日産のラインナップは、とても褒められるようなものではない。日本でのラインナップは、端的に言って「数が少ない」。 ■BEV(電気自動車) リーフ、アリア ■コンパクトカー ノート、オーラ ■SUV キックス、エクストレイル ■ミニバン セレナ、エルグランド ■セダン スカイライン ■スポーツ GT-R、フェアレディZ 軽自動車を除くと、わずか11車種しかない。この中で、スポーツカーの2車種は数が望めないし、BEVの2車種も苦戦中だ。さらにスカイラインとエルグランドは、発売から10年以上を経過している。つまり、11車種のうち6車種は、“売りづらいクルマ”である。
実質的にはノート、オーラ、キックス、エクストレイル、セレナの5車種で商売をしなければならない。これで売り上げを伸ばす方が難しいだろう。 また、その中のキックスが日本に導入されたのは、2020年6月であったが、このときなんと日産にとって日本市場への10年ぶりのブランニューモデルであった。 キックスが登場する前の10年間、日産はなにひとつ新しいモデルを日本に導入していなかったのだ。これが、日本市場の現状である。逆に、こうした状況下で販売の現場はよくやっているものだと思う。