インドのIT人材、9割が『日本の新卒給与水準でも働きたい』と回答…“まだまだ根強い”日本人気の理由【インドの工科系大生にアンケート】
「いいえ」と答えた学生の希望年収は?
「日本の新卒平均給与では働きたくない」とした学生に対して、どのくらいの給与水準であれば日本で働きたいかを聞いたところ、最も多かった回答は「年543万~724万円」で21.9%を占めた。「724万円以上」との答えも16.4%あった。これらは、日本の平均年収(458万円、2022年時点の民間給与実態統計調査による)を大幅に上回る額に達している。特に資金力に乏しい日本の中小企業にとっては、こうした学生を獲得するのは簡単ではなさそうだ。 一方で日本の平均年収に近い「452万~543万円」との回答も21.1%と高い比率を占めた。また日本の平均年収を下回る「362万~452万円」との回答も8.6%あった。ただ、「271万~362万円」との回答は2.3%にとどまっている。「年収に関係なく、日本での就職に興味がない」との答えも21.9%あった。 このアンケート結果は、長引く円安にもかかわらず、インドの工科系学生が日本での就職を強く希望していることを示している。彼らは日本のスキルアップや文化的な魅力を高く評価しており、単なる経済的要因にとどまらない理由で日本での就職を希望している。今後、日本企業がこのニーズにどう応えるかが鍵となるだろう。
田中 志穂