ブラック企業に疲れたので、収入が安定していそうな「公務員」になりたいです……。「アラサー」でも受験できるでしょうか?
公務員といえば、「収入などが安定している」というイメージの強い職業の1つでしょう。そのため、収入などの安定を理由に公務員を目指す人は少なくありません。ブラック企業に勤めていれば、なおさらそのような考えに至ることもあるでしょう。 そんな公務員には、社会人が転職することも可能です。ただし、公務員に転職するためには、中途採用試験を受験して合格する必要があります。 この試験はアラサーでも受験可能なのでしょうか。本記事では、公務員の種類や仕事内容、試験制度について解説します。
公務員とは
公務員には、国家公務員と地方公務員があります。公務員は「全体の奉仕者」(日本国憲法第15条第2項)ですが、国家公務員は国民全体のために働き、地方公務員は各自治体の住民のために働くという違いがあります。 ◆国家公務員の仕事 国家公務員は、大きく一般職と特別職の2種類に分けられます。一般職とは、各省庁やその出先機関で働く職員のことです。一方の特別職は、大臣や裁判官、国会職員などが該当します。 なお、一般職の主な仕事は、国会答弁書の作成(各省庁)、法令・政策の企画や立案(同)、政策の実施に関する事務や法律に基づく許認可手続き(出先機関)などです。 ◆地方公務員の仕事 各都道府県や市区町村に所属する公務員を、総称して地方公務員と呼びます。都道府県に勤務する地方公務員の仕事は、広域行政に関する事務、都市計画、道路・河川などの建設・整備などです。 一方の市区町村に勤務する地方公務員は、住民サービスに関する事務や窓口業務、道路や水道の維持管理、ごみ処理といった住民に密着した業務を担います。
公務員の収入はどう決まる?
公務員への給与の支払いは、「国家公務員法」「一般職の職員の給与に関する法律」「地方公務員法」で定められています。そのため、社会の経済状況に関係なく、公務員は毎月決まった給与が受け取れます。 このようなことから、公務員の収入は安定していると考えてよいでしょう。では、公務員の給与は、どのように決められているのでしょうか。 ◆国家公務員の場合 国家公務員の給与を改定するためには、内閣で閣議決定された「給与法案」が、国会での審議を経て可決・成立される必要があります。 ◆地方公務員の場合 地方公務員の給与は、「級」と「号給」によって決まります。「級」と「号給」を決定する要素は、「級」が職務の困難さ、複雑さ、責任の度合い、「号給」は経験年数による職務の習熟度です。各地方自治体には、「級」と「号給」の組み合わせで構成された給料表の作成が、法律によって規定されています。 そのため、減給処分などにならない限り、給与は安定していると考えることもできます。なお、給料表は職種によって異なります。あくまでも一例ですが、大阪市によると、行政職の8級である局長は、給料が57万4900円です。これに管理職手当の14万3000円、地域手当の11万4864円が加わり、合計で83万2764円になります。