なぜ前作までの中空でなくキャビティ構造に! ピン『G730 アイアン』【ヘッドデータ分析で判明】
左右上下の打点ブレに強い!
ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは7番、シャフト「N.S.PRO 750GH neo」でフレックスSです。掲載数値はすべて実測値となります。 クラブ長さは37.0インチと標準的で、クラブ重量が388.8グラムと軽く、スウィングウェイトはC8.8と「非常に小さい」です。クラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントは262万g・㎠に抑えられ、計測数値のみで推察すると、ドライバーのヘッドスピードが39m/sくらいのゴルファーにとって、タイミング良く振りやすくなっています。
ヘッド形状を見てみると、「ピン」のG700シリーズらしく、”非常に長いフェース”と”大きなヘッド”、”広いソール”と”強いグースネック”が特徴的です。 実際に試打したところヘッドサイズが大きくフェース面も広く見えることから、特にティーアップしたショットで打ちやすそうな安心感があります。 アドレスではバックフェースが見えるほどソールの幅が広く、厚めのトップラインも相まって、「ユーティリティのようなイメージ」もありました。 試打シャフトがかなり軟らかめで、ヘッドスピードが37~38m/sくらいのゴルファーも振りやすい設定です。 ロフト角がカタログ表示で26.5度と、かつての5番アイアンのような「超ストロングロフト設定」になっています。その影響でフェアウェイからの弾道は、通常の7番よりもやや低めで、球の出だしが強かったです。 ヘッド素材には軟鉄よりも硬いステンレスが使用されており、打感は硬めで、インパクト音は高く、フェース面の弾く感触がありました。フェースが非常に長いので重心距離が「非常に長く」、また左右方向の慣性モーメントが「大きい」ため、芯を外したミスヒットに対する寛容性が高くなっています。 フェース面のSS(スイートスポット)の高さが非常に高い高重心設計なので、特にティーアップやラフでのショットではフェース面の上側の当たり負けに強かったです。 米国モデルらしくソールの「バウンス角が大きく」、ダウンブロースウィング時のソールの抜けも抜群でした。大きいヘッドとグースネックで、つかまえて飛ばしたいゴルファーにいいでしょう。 === 松尾氏による最新アイアンの計測データは関連記事より確認可能です! ※週刊ゴルフダイジェスト2024年5月21日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より
週刊ゴルフダイジェスト