ソフトバンク トレードで“鷹キラー”浜口獲得 DeNAと合致した補強の思惑は
DeNAの浜口遥大投手(29)とソフトバンクの三森大貴内野手(25)のトレードが成立し、両球団から23日に発表された。投手強化を図るソフトバンクと、内野手の層を厚くしたいDeNAの思惑が合致。佐賀県出身で地元へ戻る浜口の背番号は「13」に決まった。日本シリーズでは度々、好投した“鷹キラー”。球団は現役ドラフトで補強した上茶谷に続き、DeNAからドラフト1位投手を立て続けに獲得し、日本一奪回への準備は整いつつある。 11月3日、日本シリーズ第6戦。あの日、逆転での日本一を阻まれた左腕が、トレードでやってくる。DeNA・浜口と今季25試合と出番が減っていた三森との交換トレードが両球団から発表された。対応した三笠杉彦GMは期待を寄せた。 「出場機会がない三森選手と貴重な左投手として話がまとまりました。先発か中継ぎか分からないけど、気持ちのこもったピッチングをしていますね」 浜口は佐賀・三養基から神奈川大を経て16年ドラフト1位で入団、1年目に10勝を挙げるなど通算44勝46敗、防御率3・76。現在、メキシコのウインターリーグに参戦中で「びっくりした思いとトレードもあるかもという覚悟はありました」と球団を通じてコメント。さらに「しっかり自分のボールを信じてホークスで競争を勝ち抜いてまた、日本シリーズでベイスターズと戦えるよう頑張りたい」とユニホームは逆になるが、再びあの舞台での熱投を誓った。 日本シリーズでは“鷹キラー”として強烈な印象を残してきた。17年の第4戦に新人として球団初の先発を任され、7回2/3を2安打零封。8回1死まで無安打投球でチームの連敗を3で止め、シリーズ初白星を挙げた。今季の日本シリーズでは中継ぎだった。2試合に登板し、11月3日の第6戦は先発・大貫が2点差に迫られた直後の5回に救援し、牧原大、甲斐、代打のダウンズを10球で料理。逆転日本一へ追い上げムードのソフトバンクの流れを食い止めた。 リーグ2連覇と日本一奪回を狙うチームは、今季限りで和田が現役引退するなど、先発、中継ぎを含めて手薄な左腕は補強ポイントだった。先発、中継ぎの両にらみで大関、松本晴、前田純、前田悠、長谷川らの左腕と来春から競う。現役ドラフトで獲得した右腕・上茶谷に続いて日本一のDeNAからドラフト1位投手を獲得。頂点奪還への、意識の高い動きが活発となっている。 ◇浜口 遥大(はまぐち・はるひろ)1995年(平7)3月16日生まれ、佐賀県出身の29歳。三養基か ら神奈川大に進み、16年ドラフト1位でDeNA入団。1年目の17年に10勝を挙げ、新人特別賞を受賞。21年に自身初の開幕投手を務めた。今季は11試合で2勝4敗、防御率3・25。日本シリーズ第6戦では救援として1イニングを3者凡退に抑え、26年ぶりの日本一に貢献。1メートル73、80キロ。左投げ左打ち。