SPCC、コンタクトセンターのオペレーターの感情を可視化し業務効率化を支援する「感情カルテ」
株式会社スカパー・カスタマーリレーションズ(以下、SPCC)は2日、オペレーターフォロー・育成の効率化と応対評価の自動化を実現する感情解析データ活用支援サービス「感情カルテ」を開発したと発表した。株式会社アドバンスト・メディアのコンタクトセンター向けAI音声認識ソリューション「AmiVoice Communication Suite」の感情解析機能を活用して製品化されたとのこと。 【この記事に関する別の画像を見る】 SPCCでは2018年から、AmiVoice Communication Suiteを自社コンタクトセンターにて導入し、感情解析機能のトライアルを開始。2020年より感情データの収集・分析、独自の仮説検証に取り組んできたという。 今回発表した「感情カルテ」は、これらの検証結果やノウハウを生かした感情解析データ活用支援サービスで、1)ココロの体温計、2)ココロのスキルチャート、3)ココロのタッチポイント――といった機能により、感情解析データを用いて、オペレーターの顧客対応を支援するとした。 このうち1)では、オペレーター1人ひとりの「ポジティブ感情」と「ネガティブ感情」を抽出し、平常時よりもモチベーションが低下傾向にあるオペレーターを迅速に発見可能。緊急度が高いオペレーターに対し、面談などのフォローを優先的に行うことで、モチベーションの回復・維持や離職防止に向けた適切なケアを可能にする。 またSPCCによる検証の結果、特定の感情値と問い合わせ内容への苦手意識に関連性があることが分かったとのこと。2)「ココロのスキルチャート」では、この検証結果を生かすことで、テスト結果などでしか確認できなかった苦手な問い合わせが検知できるようになったため、知識補填研修などの応対スキル向上に向けた個人別育成を、より効率的に行えるようになるとした。 3)の「ココロのタッチポイント」機能は、「顧客に合わせた応対」による顧客満足度の変化を取得するもの。SPCCの検証では、通話終了前30秒間の顧客の感情値とNPSスコアに相関関係があることが判明したそうで、これを生かして、顧客の感情による応対満足度の取得を自動化する。 同社では、この機能によってすべての応対結果が反映できるため、オペレーターの評価スコアに対する自身の納得感を高めるとともに、SV(スーパーバイザー)の評価工数を削減するとしている。 なお「感情カルテ」は、AmiVoice Communication Suiteと連携可能なサービスとして、12月2日よりSPCCが販売する。
クラウド Watch,石井 一志