10代のスティーブ・ジョブズが経験した「魔法」。運命をコントロールする方法とは…
Appleが存在していない世界を想像してみてください。仮にスティーブ・ジョブズが、私たちが知っているあの「スティーブ・ジョブズ」ではなかったとしたら、どうなっていたでしょうか? ちょっと想像しにくいかもしれませんね。しかし、ジョブズ自身にとっては、そうした状況も十分にあり得るものだったそうです。 実際、ジョブズはある重要な「体験」がなければスティーブ・ウォズニアックと共に、Apple創業までたどり着けなかったと感じていました。 今回はジョブズが経験した「重要な体験」についてご紹介します。
ジョブズが経験した「重要な体験」
そんなジョブズが経験した重要な体験とは…「ブルーボックス」の製作です。 このワードに馴染みがない人も多いのでは。ブルーボックスとは、長距離電話や国際電話を無料でかけられるようにするための装置です。 当時の電話回線で用いられていたトーン信号をハッキングに利用したもの。 ブルーボックスを使用するのは、不正改造したケーブルテレビのチューナーを使って、有料チャンネルを無料で見れるようにするようなもの。 …近年で言うなら、自分以外の人のNetflixのパスワードを使い回す行為に近いでしょう。 当時16歳だったジョブズと、21歳だったウォズは「世界初のデジタル式ブルーボックス」を製作。これを売って6000ドルほど稼ぎましたが、危うく警察に捕まりそうになったことも。 ジョブズが得た真の教訓とは、警察に捕まりかけたことではありません。 ジョブズは当時を振り返って、次のように語っています。 2人の若者が、原価100ドルほどの部品でこのボックスを組み立てて、全世界の電話網という、数千億ドル相当のインフラをコントロールできる。 しかも、カリフォルニア州の片隅にある都市、ロスアルトスやクパチーノから。 この事実がまさに魔法でした。 このような体験が、私たちに「アイデアの力」を教えてくれました。 それは「このボックスをつくることで、世界中の電話インフラをコントロールできる」と理解することで得られる力です。これはとてつもない力です。 私たちがブルーボックスをつくっていなかったなら、Appleも存在していなかったでしょう。 なぜなら、「何かをつくって、実際に動かすことができる」という自信を持てていなかったはずだからです。 何しろ、さまざまな発見をしながらこのボックスをつくる方法を突き止めるまでに6カ月かかったからです。 こうして「自分たちには世界に影響を与える力がある」という、魔法のような感覚を得たのです。