終戦前日に爆弾700トン 空襲で穴だらけの岩国駅を現在と比較
80年前、上空から見た岩国駅(山口県岩国市)の周辺には黒い点が広がっていた。1945年8月14日、米軍が投下した500ポンド爆弾が爆発してできた穴だ。太平洋戦争の終戦前日だった。 【写真】JR三ノ宮駅の高架に残る機銃掃射の跡とされる穴=2024年11月、神戸市、嶋田達也撮影 この日の空襲で517人が死亡(岩国市史)。鉄道の利用者も多数、犠牲になった。 岩国駅のある国鉄(現在のJR)山陽線は当時から物流の大動脈であり、米軍のターゲットになった。 国立国会図書館が所蔵する米軍の「作戦任務概要」によると、この日108機のB29爆撃機が計約700トンの爆弾を岩国駅周辺に投下した。爆撃の結果については「excellent results(優れた成果)」としている。 戦争末期、日本は米軍の攻撃で多数の輸送船を失い、海上には多くの機雷が浮かんでいた。こうした状況から、鉄道の重要性が高まっていた。(嶋田達也)
朝日新聞社