『光る君へ』で藤原為時が赴任<歴史・地理的な要所>北陸地方。その能登へ源平合戦後に流され「日本史に大転換をもたらした」平家の子孫とは?
◆紫式部の一家に想いを馳せて ところが正月の能登の地震で上時国家住宅が被害を、時国家も9月の奥能登豪雨で大量の土砂が流入し、大きな被害が出ています。 私が恐れるのは、文化財の被害だけではなく、災害によって地域のつながり、文化財や文化を守ってきた人と人との結びつきが切れてしまうことです。人のつながりこそが何物にも替え難い、社会を維持していく基盤なのです。 しかし今回の震災・豪雨の被害は、その保全に厳しい現実を突きつけています。それは日常の回復がままならないということです。 支えてきた生活が成り立たなければ、文化は失われます。私が今回、輪島市・珠洲市・能登町に寄付をさせていただいたのは、ライフラインの復旧に少しでも助けになればと思ったからです。地域の文化を守るためには、まず生活基盤が重要です。だから、少しでも多くの文化財を、それを支えた文化とともに守る手助けをしたいと思ったのです。 今後どこで同じような災害が起こるのかはだれにもわかりません。しかしその時に、生活と文化を守ることがその地域の歴史を守ることでもあるのだ、という気持ちを少しでも共有できたらいいなと思います。 そろそろ年末のふるさと納税の締め切りの時期ですが、私は能登に再び納税させていただこうと思っています。皆様も北陸を旅した藤原為時や惟規ら、紫式部の一家に想いを馳せつつ、奥能登の物産をチョイスしていただけたら、と思う次第です。
榎村寛之
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