過去、庵野秀明氏が所属し、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』 を制作したことで知られるガイナックスが破産
(株)ガイナックス(TDB企業コード:983144302、資本金1000万円、登記面=杉並区高円寺南4-7-3、代表神村靖宏氏)は、5月29日に東京地裁に自己破産を申請した。 当社は、1984年(昭和59年)12月に設立されたアニメーション制作会社。設立以来、アニメーション制作を主力として、劇場用長編アニメーションや多くのテレビシリーズを送り出してきた。特に1988年リリースの『トップをねらえ!』で注目を集め、テレビアニメ『ふしぎの海のナディア』ではアニメ雑誌の表紙や巻頭特集を度々飾るなど最大の話題作となった。その後、当社に所属していた庵野秀明氏が手がけ、テレビ東京系で放映された『新世紀エヴァンゲリオン』が社会現象を起こす空前の大ヒット。劇場版の公開やOVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)のリリース、ゲームの発売とともに版権収入およびキャラクター商品の販売が増加し、2010年7月期には年収入高約35億4600万円を計上していた。 しかし、2012年頃から経営陣や運営幹部の放漫経営により経営が悪化。優秀なスタッフの退職が続き、スタジオとしてのアニメーション制作機能を失っていた。その後、株主の変更に伴い2019年10月に代表が交代していたが、就任直後に未成年への性加害で逮捕される事態となった。こうした不祥事の混乱を収拾すべく、庵野氏が2006年5月に設立し、当社を退職して、代表を務めた(株)カラー(TDB企業コード:989205728)の支援のもと、2020年2月に経営陣を刷新。新体制で正常化に向けた取り組みを進めたが、前体制時に積み上がっていた負債の解消に至らぬなか、今年5月に債権回収会社から債権請求訴訟の提訴を受けたことで、今後の事業継続が困難と判断し、今回の措置となった。 負債は現在調査中。
なお、『新世紀エヴァンゲリオン』の著作権は現在(株)カラーが保有している。