“メシロナ”がいなければ…。バロンドールを受賞していたはずのスター6人。惜しくも涙を呑んだ偉大な男たち
MF:ヴェスレイ・スナイデル(2010年)
生年月日:1984年6月9日 当時の所属クラブ:インテル 09/10シーズン成績(クラブ):41試合8ゴール15アシスト 09/10シーズン成績(オランダ代表):14試合8ゴール1アシスト 同年のバロンドール受賞者:リオネル・メッシ リオネル・メッシによってバロンドール受賞を阻止された被害者として、ヴェスレイ・スナイデルの名前がよく挙がる。 アヤックスで「神童」と謳われたものの、鳴り物入りで加入したレアル・マドリードでは思ったような成績が残せなかったスナイデル。わずか2シーズンでの退団となった同選手は、2009年夏にジョゼ・モウリーニョ体制2年目のインテルへと加入した。 背番号10を与えられた25歳は、優れた技術と広い視野を活かし、トップ下の位置で組み立てからフィニッシュまでチームの攻撃を支え続けた。スナイデルの下でディエゴ・ミリートら強力な攻撃陣が躍動し、インテルは2009/10シーズンにイタリアのクラブ史上初となる主要タイトル3冠(UEFAチャンピオンズリーグ、セリエA、コッパ・イタリア)を達成した。 2010年6月にはFIFA南アフリカワールドカップが開催された。スナイデルは5得点で大会得点王に輝き、オランダの準優勝に貢献。優勝トロフィーは掲げられなかったものの、クラブ、代表ともに圧巻の成績を残し、バロンドールの最右翼とみられていた。 しかし、結果は非情なものだった。メッシが2年連続の戴冠を受け、2位と3位もシャビ・エルナンデスとアンドレス・イニエスタとバルセロナ勢で埋め尽くされ、スナイデルはトップ3に入ることすら叶わなかった。 スペイン紙『アス』によると、2023年に行われたインタビューでスナイデルはこの結果に対し「2010年のバロンドールを受賞できなかったのは少し不公平だった」と言及。しかし、同時に「バロンドールかCLかどちらか選ばなければならないとしたら、CLを選ぶだろう。集団でトロフィーを獲得する方が好きだからね」と、自身のキャリアに満足しているようだ。