“メシロナ”がいなければ…。バロンドールを受賞していたはずのスター6人。惜しくも涙を呑んだ偉大な男たち
GK:マヌエル・ノイアー(2014年)
生年月日:1986年3月27日 当時の所属クラブ:バイエルン・ミュンヘン 13/14シーズン公式戦成績(クラブ):51試合25クリーンシート 13/14シーズン公式戦成績(ドイツ代表):14試合8クリーンシート 同年のバロンドール受賞者:クリスティアーノ・ロナウド 2014年のマヌエル・ノイアーがバロンドールを受賞できないのならば、ゴールキーパーがこの偉大な賞を獲得することは不可能なのかもしれない。 シャルケからバイエルン・ミュンヘンへと移籍したノイアーは、すぐさまクラブの正守護神として活躍を見せた。バイエルンでの3シーズン目となった13/14シーズンは、新たに監督に就任したペップ・グアルディオラのもとで国内2冠を達成している。 優れたシュートストップはもちろん、卓越した足元の技術や果敢な飛び出しなど、まさに11人目のフィールドプレーヤーと言うべきプレーの数々はまさに画期的で、現代型GKのロールモデルにもなっている。シーズン終了後に行われたFIFAブラジルワールドカップでも優勝を成し遂げ、同選手にとって最高の1年となった。 この活躍が認められ、ノイアーはバロンドールの最終候補にノミネートされた。GKのノミネート自体、2002年のオリバー・カーン以来の快挙で、「バロンドールはノイアーに違いない」(独紙『ビルト』より引用)とあるように、ノイアー優勢の声が強かったといえる。 それでも、栄光は2年連続でクリスティアーノ・ロナウドの手に渡った。この年のロナウドはラ・リーガ得点王に輝き、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)も制覇。特にCLでは1試合を除き出場した全試合でゴールを記録する鬼神の活躍だった。 1963年に受賞したレフ・ヤシン以来2人目となるGKでのバロンドール獲得とはならず、この年以降、ノイアーほどバロンドールに近づいたGKは現れていない。
DF:フィルジル・ファン・ダイク(2019年)
生年月日:1991年7月8日 当時の所属クラブ:リバプール 18/19シーズン成績(クラブ):38試合4ゴール2アシスト 18/19シーズン成績(オランダ代表):9試合3ゴール 同年のバロンドール受賞者:リオネル・メッシ 近年最もバロンドールに近づいたディフェンダーといえば、フィルジル・ファン・ダイクになるだろう。 2018年にサウサンプトンからリバプールに加入し、2年目のシーズンを迎えていたファン・ダイクは、リーグ戦全試合に出場。圧倒的なDFリーダーの影響か、クラブのリーグ失点数は前年の38失点から22失点まで劇的に改善され、UEFAチャンピオンズリーグ制覇も果たした。 個人面でも、1対1勝率81%、空中戦勝率74%(データサイト『Sofascore』参照)被ドリブル突破ゼロ(データサイト『Opta』参照)と異次元のスタッツが並び、イングランド・プロサッカー選手協会(PFA)が選ぶ年間最優秀選手にも輝いている。 最高のシーズンを送ったファン・ダイクは、当然バロンドールの有力候補となった。元マンチェスター・ユナイテッドのリオ・ファーディナンドはイギリスメディアTNT Sportのインタビューで「ファンダイクは地球上で最高のDFだ」と絶賛。UEFA年間最優秀選手賞も2位のリオネル・メッシに100ポイント近い差をつけ受賞した。 しかし、バロンドールにはわずかに手が届かなかった。メッシが獲得した686ポイントに対し、ファンダイクは679ポイントと、僅差でメッシの後塵を拝した。この結果についてファンダイクは「素晴らしい年だったけど、少し上を行く選手がいた」と6度目の受賞を果たした相手をたたえている。