“メシロナ”がいなければ…。バロンドールを受賞していたはずのスター6人。惜しくも涙を呑んだ偉大な男たち
MF:アンドレス・イニエスタ(2010年)
生年月日:1984年5月11日 当時の所属クラブ:バルセロナ 09/10シーズン成績(クラブ):42試合1ゴール9アシスト 09/10シーズン成績(スペイン代表):14試合2ゴール3アシスト 同年のバロンドール受賞者:リオネル・メッシ 今年10月に現役引退を発表したアンドレス・イニエスタは、2002年のトップチームデビューから個人・クラブ合わせて43個ものタイトルを獲得してきた。しかし、バロンドールを獲得することは叶わなかった。 04/05シーズンからバルセロナの主力となったラ・マシア出身のミッドフィールダーは、成長を遂げシャビ・エルナンデスらと黄金の中盤を形成。特に08/09シーズンからペップ・グアルディオラが指揮を執ると、華麗なパスワークで世界を席巻することに。UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)を含む主要3タイトルを獲得し、イニエスタもラ・リーガで12アシストをマークした。 翌09/10シーズンも、イニエスタは中盤で躍動した。リーグとカップで連覇を果たす原動力となった。シーズンオフに行われたFIFA南アフリカワールドカップでも、「無敵艦隊」の一員として悲願のスペイン初優勝に貢献。オランダとの決勝戦では、延長戦までもつれる死闘の中決勝点を沈め、最高の形でシーズンを締めくくった。 W杯ウィナーとなったイニエスタには、サッカー選手最大の栄誉が与えられてもおかしくなかった。しかし、僅差ながらトロフィーはリオネル・メッシの手に。3位にシャビが入っており、同クラブ、同代表の中で票が割れた形になってしまったのかもしれない。 その後もイニエスタはバロンドールを獲得することが出来ず、バロンドールを主催する仏紙『フランス・フットボール』は「すまない、アンドレス」「歴代バロンドールに欠けている偉大な選手たちの中でも、彼の不在には特に心が痛む」と異例の謝罪文を掲載した。 しかし、イニエスタは「誰が勝ったかより、ラ・マシア出身の3人で表彰台に立てたことがなによりうれしい」(『tribuna』より引用)と言及。このように、自分よりも相手を第一に考えるところが、彼がすべてのサッカー選手に愛されるゆえんだろう。