「見捨てるわけにはいかない」近所の高齢者を助け亡くなる 災害時『共助』のジレンマ “弱者支援” のあるべき姿とは【前編】
井村准教授は「共助」が持つ危険性を次のように話します。 井村准教授「自分の命を優先してくださいというのが国の指針だとか、民生委員会の指針ではあるんですけど、一方で、“顔が浮かんでしまう関係ができている”ということになると、“見捨てるわけにはいかない”という気持ちも非常によく分かるんです。ただ、共助をあまりに出すと自助の部分ができなくなってしまう可能性がある」 こうした中、井村准教授が改めて呼びかけるのは、自分の身を守る「自助」の重要性です。 井村准教授「自助が出来ていない限り、絶対に共助とか公助にまわれない」 中渡さん「日ごろからコミュニケーションが行き届いていて、関係性が濃いほど、助けたいという思いが強くなる。民生委員に限らず消防団の方も、あるいは集落で水を管理している地域の農家同士でも『自分が見に行かなければ、村の田んぼがやられてしまう』という責任感で行動して被災する人も多い。自分の身の安全を重視してほしい」 しかし、「共助」に頼らざるを得ない要支援者が多く住む地域があるのも現実です。後編では、2020年7月豪雨で25人が亡くなった球磨村の取り組みから「共助」を考えます。 ▼「高齢化率50%」球磨村の現実 “共助”に頼らざるを得ない要支援者を助けるために、突き付けられる答えなき問い【後編】
熊本放送