日本作品のアカデミー賞候補は? 23歳監督の作品に期待 映画評論家が語る2025年注目の映画
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2025年を迎え、続々と注目の正月映画が公開されている映画界。ゴールデングローブ賞やアカデミー賞など、注目の賞レースの発表を控える中、この冬注目すべき映画は何なのか、そしてアカデミー賞で日本作品の受賞はあるのか、ゴールデングローブ賞の投票権を持つ映画評論家・松崎健夫さんに話を聞きました。 【画像】『ゴジラ-1.0』はなぜアカデミー賞をとれたのか 松崎健夫さんが指摘するハリウッドの変化
■児童養護施設で暮らす子どもたちをとらえる ドキュメンタリー映画『大きな家』
この正月休みにオススメの映画として松崎さんが最初にあげたのは、児童養護施設を舞台にしたドキュメンタリー映画『大きな家』(公開中)。俳優としても活躍する齊藤工さん(43)がプロデューサーを務めていることでも話題となっています。 「この冬見た中では一番良かった映画だった。都内にある児童養護施設に行ってほぼ1年かけて撮影して、彼らの生活を撮影して我々観客に見せてくれるという作品なんですけど、特に何も起こらないんです。何も起こらないんだけど、やっぱり人生って豊潤でいろんなことがあるなってことをいろいろ考えさせられる映画になっている」 「“どうやってこんな画(え)が撮れるんだろう?”みたいな自然な姿を撮っているんですけれども、取材するスタッフが半年間ずっと通って撮影はしなかったらしいんです。それで(子どもたちが)スタッフに慣れてきたころに初めてカメラを持ち込んで撮影を始めたから、ものすごく自然な姿が撮れている」 「時間をかけて撮ったものっていう結果が作品に表れているなと思うので、そこもちょっと見どころじゃないかな」
■“年明けから景気いいじゃん!” 東映入魂の時代劇『室町無頼』
2つ目に松崎さんがあげたのは大泉洋さん(51)主演の『室町無頼』(1月17日公開)。飢饉(ききん)や疫病がはびこる室町時代を舞台に、幕府に対して一揆を起こそうとする蓮田兵衛の活躍を描く物語です。 「時代劇といえば、2024年には『侍タイムスリッパー』という自主映画で始まった映画が大ヒットしたり、大作では『十一人の賊軍』があったり、真田広之さんがドラマ『SHOGUN 将軍』を作って、エミー賞で作品賞や主演男優賞をとる快挙があったりと、なんとなく(時代劇への)潮流が生まれつつあるなって感じているんですよ」 「そんな中で、元々時代劇を作っていた東映が大作の映画として作ったのが大泉洋さん主演の『室町無頼』という作品。室町時代の話だけれど現在の社会に通じるような民衆の思いのようなものを描いている作品になっているので、これは映画見ていただくと、社会の中でお上のやることに対して悔しい思いをしているなって思う方こそ“よし、やったれ!”という感じになるような映画で痛快」 「アクションの面でもすごいし、セットや衣装の面でもすごいので、久々に見応えのある時代劇で“年明けから景気いいじゃん!”っていう感じがしています」