元銀行員がみた「富裕層の特徴」3つ。相続の影響が大きいが一代で資産を築く起業家も
富裕層の特徴(2)資産を分散している
富裕層は、保有資産を1つに集中させず、株式や不動産などさまざまなところへ分散させています。 前述の国税庁の調査から見ても分かるように、相続財産は預貯金だけでなく土地・家屋や有価証券など多岐に渡っている状況です。 資産を分散することには、リスクを低減したり、長期的に資産を成長させたりする効果があります。 たとえば、株式や投資信託などの金融資産は、経済成長の恩恵を受けて資産価値が上昇するなど、効率的に資産を増やせる点がメリットです。 もちろんリスクについては十分考慮する必要がありますが、「資産は預貯金のみ」という人は、他の資産へ振り分けることを検討してみてもよいかもしれません。
富裕層の特徴(3)税金対策に取り組んでいる
多くの富裕層が関心を寄せているのが、税金対策です。 私たちの普段の生活に深く関わりがあるのが、所得税や住民税、消費税ですが、このうち所得税は所得が多い人ほど税率が高くなる仕組みとなっています。 そのため、より手取り額を増やすには、積極的に税金対策に取り組むことが欠かせません。 たとえば、所得税や住民税を軽減する方法として次のような例が挙げられます。 ・iDeCo(個人型確定拠出年金) ・生命保険 ・医療費控除 ・住宅ローン控除 iDeCoは将来の年金を自ら準備するための制度で、掛金を全額所得控除できるメリットがあります。 税金対策に取り組みながら資産形成ができる制度ですので、活用を検討してみるのもよいでしょう。
お金との向き合い方を見直してみよう
富裕層には恵まれた環境でただ資産を受け継いだだけでなく、自ら一代で資産を築いた人も多くいます。 いきなり富裕層を目指すことは難しくても、そうした人の考え方や行動を少し取り入れてみるだけでもお金に対する考え方が変わるかもしれません。 まずは、家計の見直しを行い、自分の収支を正しく把握するところから始めてみましょう。
参考資料
・国税庁「令和4年分 相続税の申告事績」 ・経済産業省 資源エネルギー庁「電気・ガス料金支援」
椿 慧理