小池百合子氏の「カイロ大卒業」に問題はないのか…しつこく「学歴詐称」を指摘される女帝の光と影
東京都知事選挙が6月20日に告示された。3選を目指す小池都知事の経歴欄には「カイロ大卒業」とあったが、問題はないのか。元東京都知事の舛添要一さんは「学歴詐称が事実なら、公職選挙法違反や公文書偽造に問われる可能性がある。仮に当選したとしても学歴詐称問題が蒸し返されるのは確実で、小池都政のレームダック化は避けられないだろう」という――。 【写真】「カイロ大首席卒業」と書かれていた小池氏の著書 ■東京都知事選挙最大の焦点「小池氏の学歴詐称問題」 7月7日投票の東京都知事選に向けて小池百合子都知事が正式に出馬した。メディアも、蓮舫氏との女性対決ということに注目している。勝負の行方は、7月7日に投開票が終わるまで分からない。 今回は小池百合子氏に焦点を当てて、その光と影に迫りたい。結論を先走って言えば、たとえ当選しても、その行方には暗雲が立ちこめている。 エジプトのカイロ大学卒業という小池氏の経歴は嘘ではないかという見解が数多く出てきている。私自身も、4月20日付のプレジデントオンラインの記事で、その点について書いた。 ■小池氏の元側近が「もみ消し工作」を暴露 この学歴詐称問題は、小池と同時期にカイロに滞在した人たちなどから、つとに指摘されていたが、今回は小池氏元側近の小島弁護士が真相を暴露したのである。その衝撃の大きさは、これまでとは次元が異なる。 小島氏によると、2020年の都知事選直前に、自ら疑惑もみ消し工作を行い、東京のエジプト大使館にも協力を求めたという。これで小池氏はエジプトに頭が上がらなくなってしまっている。 小池氏は国政に復帰し女性初の総理を狙いたいのだろうが、外国に弱みを握られた政治家に外交は不可能である。しかも、エジプトはもともとロシア以上の秘密警察国家で、民主主義体制とはほど遠い国である。
■注目が集まる「選挙公報の経歴欄」 今回の都知事選立候補に当たり、小池氏は、選挙公報の経歴欄にどう記載するのであろうか。 もし、「カイロ大学卒業」と記せば、小島氏は訴えると明言していた。実際、6月18日に小島氏は記者会見を開き、小池氏を公選法違反で刑事告発したと発表している。今後、この問題は司法の場で決着が付けられることになる。 小池氏は、本当にカイロ大学文学部社会学科を卒業したことを証明しなければならない。また、卒業証明書や成績証明書が正式なものであることも立証せねばならない。 エジプトは、公文書、私文書を偽造するのが当たり前の社会だと抗弁しても、それは日本の裁判所では通用しない。 私は東京大学法学部の卒業だが、卒業証明書もあれば、成績表も残っている。もちろん本物である。小池氏と違って、コピーではなく、本物を公開することができる。 ■小池氏の著書に書かれた「カイロ大首席卒業」 学歴詐称疑惑が引き続き話題になり、これからも新たな証言が飛び出せば、小池氏は都知事の職務に専念などできないであろう。 小池氏は、若い頃の自分の著書の奥付に、「カイロ大学首席卒業」などと経歴を書き、私には「学生が一人しかいなかったので、首席でもビリでもある」と語った。 ところが、都知事になってからの記者会見では、〈非常に生徒数も多いところでございますが、ただ、先生から、「非常に良い成績だったよ」とアラビア語で言われたのは覚えておりますので、嬉しくそれを書いたということだと思います〉と平気で言ってのけている。 その神経の図太さと嘘をつく能力には脱帽だが、学歴詐称疑惑は今後も小池氏のアキレス腱となるだろう。 ちなみに公選法違反は3年の時効だが、公文書や私文書の偽造は、7年や5年の時効のため、2020年の都知事選における学歴詐称についてもまだ罪を問うことができる。