今季もあるか!? J1、奇跡の大逆転残留を果たしたクラブ6選。土壇場でJ1に踏みとどまったのは?
ヴィッセル神戸(2010シーズン)
監督:三浦俊也→和田昌裕 2010シーズンのヴィッセル神戸は、土壇場でしぶとさを発揮した。最後まで諦めなかったチームは大逆転残留を果たしている。 2010年9月の時点で、神戸の順位は18チーム中16位。J2降格圏に沈む危険な状況から脱するためにクラブは三浦俊也監督を解任し、後任監督として和田昌裕を招へいした。 和田新監督の下で、チームは第28節から第33節までの6試合を3勝3分で終え、残すは最終節の1試合のみ。この時点で神戸の順位は16位であり、残留圏となる15位・FC東京とは勝ち点1差だった。 迎えた最終節、神戸は浦和レッズと対戦する。前半に吉田孝行のゴールで先制した神戸は、後半立ち上がりにも吉田がPKから追加点。スコアを2-0とする。その後も追撃を続けた神戸は最終的に敵地で4-0の大勝を飾っている。 この裏で、FC東京が京都サンガF.C.に敗北。神戸はラスト7試合を無敗で走りきり、劇的な形でJ1残留に成功した。 多くの人がご存知の通り、チームに残留をもたらした吉田は現在神戸の監督を務めている。昨季は指揮官としてクラブ史上初のJ1優勝を達成した。J1残留へ導いた男が、今度はクラブをJ1の頂点へ。この「後日談」も、2010年の神戸が見せた逆転劇の美しさを強調している。
アルビレックス新潟(2012シーズン)
監督:黒崎久志→柳下正明 Jリーグの残留劇を語る上で、2012シーズンのアルビレックス新潟は外せない。 このシーズンの新潟は、開幕から3試合連続黒星、5試合連続未勝利と雲行きの怪しい船出となった。以降も、チームの調子は安定することはなく、降格圏と残留圏を行き来している。 成績不振を受けて、クラブは黒崎久志監督を解任。後任監督に柳下正明を招へいする。しかし、新潟は監督交代後も残留争いから抜け出すことはできず、J2降格圏内の17位で最終節を迎えることになった。 運命の最終節(北海道コンサドーレ札幌戦)、新潟がJ1残留を決める条件は厳しい。まずは自分たちが「勝利」すること、その上で残留圏の15位・ヴィッセル神戸と降格圏の16位・ガンバ大阪の2チームが最終節で「引き分け以下」になることが絶対条件だった。 それでも、新潟は諦めていない。サポーターは雪が降るスタジアムに駆けつけ、逆転残留を信じた。 サポーターの後押しを受け、選手たちもこの大一番で勝負強さを発揮する。新潟は前半立ち上がりに先制すると、前半終盤にも追加点を奪う。後半に札幌が1点を返してスコアは2-1となるが、新潟は攻撃陣が奮起してさらに2点奪取。最終的に4-1で勝利している。 一方、新潟と残留を争う神戸とG大阪は共に敗北。この結果により、新潟は勝ち点40でJ1残留が確定した。 残留が懸かる大事な試合で、まさかの1試合4得点。選手たちは、まさにサポーターをヤケドさせるようなドラマチックな勝利でJ1残留を掴み取った。