加齢に伴う「歯茎下がり」 の予防法&改善法は?歯科医が解説
「最近、歯の隙間が気になる」「以前より歯が長くなった気がする」と感じている人はいない? 実はそれ、“歯茎下がり”が原因かも? 加齢を原因に現状の改善を諦めている人も多いかもしれないけれど、まだできることはあるはず。歯科医の伊藤啓香先生が歯茎下がりの理由から予防法、改善法まで教えてくれた(以下「」内・伊藤先生)。 教えてくれたのは:伊藤啓香先生 歯科医。日本口腔インプラント学会専修医、日本歯周病学会会員でもある。岡山大学歯学部卒業後、都内や都内近郊のデンタルクリニック勤務を経て、令和3年から都内にある「五反田駅前歯医者」に勤務中。プライベートでは一児のママで、日頃から子どもに歯の大切さを楽しくわかりやすく教えている。
まずは簡単なセルフチェック
簡単なセルフチェックにトライして。これで、あなたの歯茎が下がっているか否かを知ることが可能。 <歯茎下がり セルフチェックテスト> ・歯が長くなったように見える ・歯の根本部分が露出している ・歯と歯の隙間(ブラックトライアングル)が目立つ ・歯の隙間に食べカスが詰まる ・知覚過敏が起こる ・最近、虫歯になった ・歯茎が赤く腫れ、血が出ることがある ・口臭が気になる 何個当てはまった? 実はすべて、歯茎が下がった人に現れる症状。そのため1つでも該当したら、既に歯茎が下がっている可能性あり!
歯茎はさまざまな理由で下がる!
「⻭茎が下がる原因は複数の要因が関与しています。歯茎が垂直的に下がっている場合は歯ぎしりや食いしばり、噛み合わせの悪さからくる咬合性外傷、力を入れすぎた間違ったブラッシングなどが考えられるでしょう。歯茎が水平的に下がっている場合は歯周病、矯正治療によるブラックトライアングル(歯と歯の隙間)などが主な理由です。 垂直的、水平的な歯茎下り共に“加齢”ということも。40~50代になると、どうしても歯茎が痩せ、歯茎が下がって見えることがありますから」
歯周病で歯茎が下がる人が多数!
「先述した理由の中でも特にみなさんが気になるのは“歯周病”ではないでしょうか? 実は日本人の30代以降の多くの人たちが歯周病。ただし、歯周病は歯を見ただけではわからず、レントゲンを撮らないとわからないので、自分では気づいていない“隠れ歯周病”の人たちも多いんです。 そんな歯周病が進行すると、歯を支えている骨が溶かされ、骨の上にある歯茎も骨に追随するように下がってしまうわけ。一度溶けた骨は自然に再生されることなく、下がってしまった歯茎もそのままにしている限り、元には戻りません」