東京都議会議員補欠選挙で咲く花は何色か?今後の政局へ甚大な影響を与える“ほぼ”国政並みの都議補選9選挙区の解説!(坂本東生)
まとめ
どの選挙区でもいわゆる「泡沫」と言われる候補者はほとんどいない。都知事選挙とは大きく異なり「ガチ勢」ばかりが本気で議席獲得を目指している。各会派は多くの有名国会議員を応援演説に投入して議席を争っている。都市部選挙も組織選挙も政党の思惑もネット戦略も動員戦略も、すべてが東京都の領域で展開されるこの都議補選にぜひ着目して欲しい。
9選挙区ごとの状況と候補者解説
【江東区】 自 v.s. 共 v.s. 無 v.s. 無 前回都議選結果:公明、自民、共産、都ファ(全4議席) 欠員前会派:自民党 豊洲市場・有明開発、政治家辞職・逮捕と、話題に事欠かない選挙区 今回の都議補選に、自民党からは1回目区長選に挑戦したベテラン前都議が出馬、共産は実力派区議が、無所属の一人は前回の区長再選挙に出馬し3番手だった候補、もう一人の無所属は元衆院議員の孫で25歳の新人である。 現職区長の逝去、新区長の辞職と有罪判決、衆議院議員二期連続の逮捕、区長再選挙、衆院補選での公選法違反による陣営逮捕。1年半前に誰がこの状況を予測できただろうか。さらに言えば小池都知事の誕生以来、豊洲市場の移転問題、オリパラの会場問題もこの地が舞台だ。 ネット広告違反、街頭演説の妨害と、既存の選挙ツールにケチがついてしまった江東区では政治への厳しい視線にさらされた状況下でどう選挙を進めるべきか各陣営悩むところだろう。政治が街の鏡であるならばこれ以上鏡を汚すことのない政治とはなにか、具体的な筋道を提言するのが必須である。遵法精神、必要な法改正、政治倫理、政治資金、江東区民の持つ根深い政治不信を取り除く義務が候補者にはあると思う。しっかりと選挙期間中にうったえてほしい。 江東区は従来より自民党色が強い地域だったが、区長再選挙では小池知事の部下が都ファ自公などの相乗りで初当選した。先の衆院補選では区長選で次点だった立憲公認候補が出馬し当選している。今回の補選の結果は江東区の大きな分岐点となるはずだ。大局的な視野と現実的な実行力が求められる一方で、応仁の乱後の焼け野原に種を蒔くごとくに、地道な努力を続ける姿勢を各候補者には期待したい。