東京都議会議員補欠選挙で咲く花は何色か?今後の政局へ甚大な影響を与える“ほぼ”国政並みの都議補選9選挙区の解説!(坂本東生)
【公明党 0候補/9選挙区】
都議会公明党は欠員が生じておらず今回の補選では候補者擁立をしていない。都知事選を踏まえて、党としてブレずに小池知事を支援しつつ政党として推しの政策を掲げてきていきたいところだ。 6月28日の記者会見では公明党石井啓一幹事長が「都知事選に注力しており、補選は基本的に静観している状況だ」と記者会見で述べたとの報道がある。1年後に都議本選があるのだから今回は組織として他党候補に肩入れはできない、との意味と推測するが、実際には全ての選挙区で公明党支持者の動向がキャスティングボートを握っている。ここ最近の都内首長選挙で公明党は期間中に支援方針を組織決定するケースが多々見受けられる。なので他党候補者は党利党略以前に「この人物ならば投票する」と判断してもらえるだけの姿勢と政策を少しでも早く打ち出して個別支援を得られるかが勝負となってくる。しかしそこは権謀術数に長けた党、一筋縄でわけはない。 まさに「東京都政の審判団・公明党」(私が個人的に敬称としてお呼びしているだけだが)としての本領発揮である。
【日本共産党 4候補擁立/9選挙区】
ここ最近の共産党の動きは迅速だ。先に行われた港区長選挙では勝手連的に勝ち筋の候補者を支援する動きを見せ、都知事選でも立憲民主党参議院議員だった蓮舫候補の支援を立憲より素早く手厚く実行している。このあたりの感覚は鋭い。 ひるがえって都議補選の個々の陣営の様相を見てみると、はて従来の共産党に戻っている節がある。蓮舫知事候補者とのシンクロ戦略を貫くと思いきや、それはそれとしての教科書的な共産党選挙をスタートさせた。上と現場の考え方の違いの表れとして邪推してみるのもおもしろい。肌感覚では6月28日都議補選告示日を過ぎてからの方がX投稿は少ない気もする各陣営、「来夏にベテラン都議が引退するので今回は次回新人のための顔見世興行」などと気を抜くことなく、しっかりと多くの有権者から共感されるよう党勢拡大に努めてほしい。 立憲+共産の選挙協力はどうだろうか。候補者擁立については見事に立憲・共産の選挙区の住み分けに成功している。ただし共産党は他党候補者にあいのりする戦略は得意だが、共産党候補者を前面にして勝たせる戦略については新鮮味がない。首長選挙で成功し続けている立憲+共産だから都議補選でも成功するとして、一般的な予想記事ではシンプルに『立憲票+共産票』は出ると見込んでいるようだが、はたして。共産→立憲候補への選挙協力は実施されても、立憲→共産候補への選挙協力は行動統制が取れないのだよ、と肩透かしのフェイクとならないか?