東京都議会議員補欠選挙で咲く花は何色か?今後の政局へ甚大な影響を与える“ほぼ”国政並みの都議補選9選挙区の解説!(坂本東生)
【自由民主党 8候補擁立/9選挙区】
今回自民党は南多摩選挙区以外の8ヵ所に元職2名、新人6名の計8候補者を擁立している。 国政における派閥の献金問題は当然に相当な影響を与えているが、もう一つ厄介なのが都知事選とのねじれだ。 8年前の2016年の都知事選挙にて自民党を飛び出した小池百合子(当時)衆院議員が都知事に就任して以来、今や自民党支持層のうち7割前後は知事選で小池候補を支持しているとの調査が出ている。都議会自民党会派としては「政策的に一番近い」とし自民党総裁も小池知事候補の支援を明言した。8年続いた自民v.s.小池知事の政争に幕引きの時が訪れようとしている。が、感情的なしこりは未だ残る。 この過渡期に翻弄されているのが今回の都議補選候補者たちだ。板橋・北・中野の各選挙区では自民党と都民ファーストの公認候補が直接対決をしている。自民党としては国政問題で叩かれ、知事選では客人としての呉越同舟となる。船が岸に着く開票日に自民党候補は何人生き残っているのか。
【都民ファーストの会 4候補擁立/9選挙区】
都民ファーストの会は絶対安定政権小池百合子知事の知事政党として、都議会では最大会派にはなれていないものの大きな力を持っている。先にスタートした知事選の最中も含め知事政党の名のもとで活動ができるので相乗効果は大きい。 一方で、知事政党として歩んではきたものの、都民ファースト所属議員は地域への根の張り方や政治的実力について党所属議員間で力量に大きな差があるのも事実だ。党設立以来の歴史が浅く「純粋・都ファ」議員は経験が少ない。他党からの移籍組でも、実質的に党務を捌くことができるのはほんの数名である。今回の4候補者についても「都ファ純粋培養」は元職の一人しかおらず、他の新人候補はいずれも他党からの移籍組となっている。 また現在71歳を迎える知事の「その後」を見据えたとき、新しい御旗をどう立て誰を中心人物としていくのか。国会議員は一人もいない。知事選挙の報道を見ていても候補者随行(付き人)を都議が担っていたのは都内市区町村議員の育成ができていない証で、今後の人材不足が気がかりな中、何名を都議に押し上げることができるのか。