令和からのガーリーブーム:バレリーナからインスパイアされた新トレンド「バレエコア」とは?
平成のガーリーブームとはどのように違うのか?
令和で飛ぶ鳥を落とす勢いのバレエコアブームだが、もちろん平成の時代にも「少女らしさ」を基調としたガーリーブームはあった。 バレエコアのように世界観が構築されたムーブメントでいうと、2012年に創刊された『LARME』を思い出す人もいるだろう。 『LARME』のコンセプトは、「甘くてかわいい女の子のファッション絵本」だ。 まさに少女感が溢れる『LARME』は、創刊時に元・AKB48の渡辺麻友と元・乃木坂46の白石麻衣が表紙を飾り、発売と同時に話題になった。
また同時期は、大人カワイイブームやフェアリー系ブームがトレンドだった時代だった。 大人カワイイブームはモデルの梨花から始まり、年齢に縛られることなく「カワイイもの」を肯定したスタイルだ。 レースにフリル、ミニスカートとガーリーさ全開のスタイルは、ロマンティックな要素で溢れ、「いくつになっても好きなものを着る」というポジティブさも含めて、多くの女性に支持された。 ほかにも原宿では、パステルカラーをベースにした「フェアリー系」も登場し、原色をベースとしたカラフルなデコラ系とは違う、ファンシーさが溢れる妖精のようなファッションが流行した。 こうして2010年あたりを振り返ると、それぞれのベクトルは違っても、「少女らしさ」や「甘さ」をベースとしたガーリーブームが周期的にまわってきているのがよくわかる。
ガーリーブームも2010年ごろから系統が分かれていくようになっていったが、遡ると、2001年には映画『キューティ・ブロンド』の人気とともに、世の中のトレンドはピンクで溢れ、さらに遡った90年代後半は、アパレルブランドからもガーリーなアイテムがシーズンで展開されていた時代だった。 当時はシーズンごとにキュートなアイテムたちが雑誌の誌面を飾り、心をときめかせた人も多いだろう。 少女らしさ溢れるアイテムは、一部の層だけではなくマスで受け入れられやすい傾向にある。 服飾では取り入れることに躊躇してしまっている人でも、雑貨などで取り入れやすいのも理由のひとつだろう。 かつて日本で流行したガーリーブームも、アパレルから雑貨まで一時期のトレンドを制していた。しかし、平成と比べると、バレエコアにいたっては世界中で流行しているのが、今までと異なるところだ。 K-POPアイドルの人気だけではなく、SNSの発達も今回のトレンドを後押ししているところが、令和ならではの流行の広がり方を感じる。