捨てられる運命だったバイオレット【2】KA24型のヘッドでZ16型をDOHC化して搭載|1980年式 日産 バイオレット GL
今では見かけることが少なくなったA11バイオレット。Z型エンジンを搭載したPA10は、サファリラリーで優勝するなど、モータースポーツにおいては輝かしい実績を残している。ただし、今回紹介するのは、A型エンジンを搭載したA11の4ドアがベース。平凡な4ドアセダンに搭載されたエンジンは!? 【画像22枚】狭いスペースに収まっているタコ足はスチール製のφ42.8mm。排気効率を考えた等長で、長瀬さんによるワンオフだ 【1980年式 日産 バイオレット GL(A11) Vol.2】 長瀬肇さんは、知る人ぞ知る、「長瀬発動機」という競技車両の製作とメンテナンスを行うファクトリーの代表で、チューニングに関してプロ中のプロ。そんな長瀬さんのバイオレットとの出合いから聞いてみた。 「2006年11月に、知人のところにエンジンだけ取られて捨てられる運命だったバイオレットがあると聞いて見に行ったところ、ボディの程度が抜群だったので、引き取ってきました。その後ボディはそのまま、エンジンを載せて公認を取り、足回りやブレーキ、駆動系にも手を入れて、楽しく走れるように仕上げてきました」とのこと。 注目は搭載したエンジン。長瀬さんのA11バイオレットは、もともとはA14型エンジンが搭載されていたが、エンジンは抜き取られていた。そこで、PA11に搭載されたSOHCのZ16型エンジンを探し、それにラルゴやプレサージュに搭載されたKA24型のDOHCヘッドをドッキング。 もちろん、そのまま載せただけではなく、φ89mmのピストンの組み合わせで排気量を1940ccとし、カムはオリジナルプロフィールで削り出し製作。吸気はソレックス44PHHを組み合わせ、185ps/7500rpmを達成。ワンオフのZ16型改DOHCエンジンとし、エンジンルームに収めている。 初出:ノスタルジックスピード 2014年11月 Vol.005 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部
【関連記事】
- 捨てられる運命だったバイオレット【1】サファリラリー4連覇という輝かしい偉業|1980年式 日産 バイオレット GL
- 捨てられる運命だったバイオレット【3】スカイラインのミッション&シルビアのデフを流用|1980年式 日産 バイオレット GL
- 西会津なつかしCarショー2024【4】大震災から復活を遂げたワンオーナーのバイオレットの勇姿
- 1977|サザンクロス・ラリーで圧勝した日産|日産 バイオレット 710(1977年サザンクロス・ラリー優勝車)|ラリーの日産 Vol.2
- 1978-1982|サファリラリーで4年連続総合優勝。240Zを凌駕する金字塔 |日産 バイオレット PA10(1982年サファリ優勝車)|ラリーの日産 Vol.3