ヒオカ「歯の激痛で歯科へ。見落とし、処置なしの医者が3500円、治療してくれた医者が2500円。別の病院に頼るのは大事だ」
◆別の歯医者 しかし、翌日、昨日よりも腫れあがってきた。痛い、痛い、痛い……!!!痛みで朦朧とする。これはもう、別の歯医者に頼るしかない! 耐えがたい激痛に背中を押され、急いで周辺の歯医者をググる。東京のいいところは、とにかく病院が多いところ。徒歩1~2分圏内で歯医者が5件くらいはヒットする。家の近くのB歯科に電話をかけた。「痛くて痛くて、耐えられません。最短でいつ予約できますでしょうか」と聞くと、「大変だね、30分後に来てください」と言われた。そのときの安堵たるや。電話口の優し気な女性の声が、天使のように感じられた。 絵本から飛び出してきたような作りの病院には、優しそうな先生と受付の人が待っていた。 同じようにレントゲンを撮ってもらい、いざ診てもらったとき、先生は「ここが腫れてますね」と言った。 A歯科を思い出すと、まず、「痛いところをなめてください」と言われた。思い返せば、こんなに明らかに腫れているのに、目視でわからないなんておかしい。その点、B歯科はこちらが何も言わずともちゃんと目視で、ここの歯とここの歯の間が腫れています、と明確に言い切った。「すごくいろいろ詰まってますよ。クリーニングをしましょう」と言われ、激痛に耐えながら処置をしてもらった。
◆こちらの不安に寄り添う 「一件目では、歯磨きを頑張れと言われたんです。薬を出してもらえなくて」と言うと、先生は「それは酷いね。何も出してもらえなかった?クリーニングもしてもらわなかったの?」と目を丸くした。 「あと、虫歯がありますよ。ここを見てください」と言われ、鏡を覗き込むと、腫れている歯茎の根元の歯に、大きな穴が空いているではないか。「ここから汚れが入って、化膿していたんです」。え、A歯科では「虫歯じゃない」って言われたのに! 「あの、左側も痛くて。A歯科では、左側の歯茎の痛みは、虫歯と言われたんですが」と言うと、「左側は虫歯じゃないですね」と言われる。え、言ってること、真逆やん!椅子から崩れ落ちそうになる。どうやら、左側だけで噛んだことで、噛み合わせが悪くなったことが原因のようだ。 先生の明確な診断と、明朗かつ丁寧な説明に、張りつめていた気持ちがゆるむ。ありがたくておがみたくなる。「今回はセカンドオピニオンということで、一回だけにとどめておきますか?それとも、継続的に通いますか?」と意思確認もしてくれた。 虚弱体質で、日頃からあらゆる科に行っている身として思うのは、医者に大事なのはもちろん腕(原因を見極める力、適切な処置をすること)だと思うが、同じくらい大事なのは説明をしっかりしてくれて、こちらの不安に寄り添ってくれること、だ。身体に不調があるときは心も弱っている。そこでしっかり丁寧に説明するだけで、心は救われる。A歯科の致命的だったところはもちろん誤診をしたこと。だが、それと同じくらい、説明をちゃんとしてくれず、聞いてもキレ気味にあしらわれたことがメンタルに来た。