PTPA共同設立者のジョコビッチもシナーのドーピング問題に疑念「選手たちの不満は理解できる」<SMASH>
多くの選手の関心を集めているヤニック・シナー(イタリア)のドーピング問題について、PTPA(プロテニス選手協会)の共同設立者のひとりであるノバク・ジョコビッチ(セルビア)が口を開いた。 【画像】シナーへの軽すぎる処分にSNSで声を挙げる選手たち テニスの不正行為を監視する第三者機関「ITIA」によると、シナーは今年3月の「BNPパリバ・オープン」の際に禁止薬物が検出され、暫定的な出場停止処分が科されたが、異議申立てが認められすぐさま処分は解除。その後の調査でも、違反が故意ではなく過失もなかったと判定され、シナーの資格は停止されず決着したとされている。 テニス界ではこれまで、ドーピング違反者には選手生命を左右するような非常に厳しい裁定が下されてきた。今回のシナーのように出場停止処分が下されながらも、即時解除されるようなケースは異例中の異例と言えるだろう。 海外スポーツメディア『Sportskeeda』によると、この件について質問を受けたジョコビッチは「ヤニックのような事案こそが、私がPTPAを設立した理由だよ」と、自身がかつてバセク・ポスピシル(カナダ)と共同で設立したPTPAの設立目的と絡めてコメント。 「常に公平で明確なプロトコルを提唱し、このような事例に対して標準化された裁定を求めるためにPTPAを設立した。テニス界のシステムは多くの問題を抱えている。一貫性が欠如しているんだ」 ジョコビッチ自身もシナーの一件について納得はしていないようで、「私の認識では、彼(シナー)のドーピング違反は発表された途端に白紙撤回された。さらにこの件は5~6カ月もの間、我々には知らされなかった。選手たちが苛立ちを覚えるのも理解できるね」と語っている。 ジョコビッチの言うように、シナーに下された今回の裁定には多くの選手が疑念を抱いており、ニック・キリオス(オーストラリア)やデニス・シャポバロフ(カナダ)、日本のダニエル太郎らがSNS上で不平を訴えている。 構成●スマッシュ編集部