清水を障害者スポーツの”聖地”に IAIが10種目対応「パラスポーツパーク」 静岡市本社工場敷地内に12月オープン
「清水を障害者スポーツの“聖地”にしたい」。静岡市清水区の産業用ロボットメーカーのアイエイアイ(石田徹社長)は12月上旬、同区庵原町の新本社工場敷地内に障害者優先スポーツ施設「IAIパラスポーツパーク」をオープンさせる。視覚障害者や上肢、下肢を切断した人のためのサッカーやバスケットボールなど計10種類の障害者スポーツに対応する。 石田社長によると、建設のきっかけは、元特別支援学校教員で障害者サッカーの普及を続けるNPO法人静岡FIDサッカー連盟の瀬戸脇正勝理事長(67)との数年前の出会い。瀬戸脇理事長が県内で練習環境が限られる窮状を伝えると、今夏稼働した新本社工場敷地内の用地に建設する計画が進んだ。瀬戸脇理事長は「1カ月程度で即決してもらった」と振り返る。 パラスポーツパークは、障害者サッカーに対応した人工芝コート「パラフットボールエリア」(約800平方メートル)と車椅子サッカーやバスケットボールなどができる屋根付きの「多目的エリア」(約420平方メートル)、更衣室やシャワールームのある「クラブハウス」を整備し、全て無料。10種類の障害者スポーツに対応できる専用施設は珍しく、瀬戸脇理事長は「国内では初めてだと思う」と話す。 利用者は障害者にとどまらず、障害者スポーツを見学に訪れる地域の生徒・児童にも積極的に開放する。クラブハウス内で障害者と同社製品の小型サッカーロボット「ミニロボ」を一緒に楽しむなど交流ができる。石田社長は「パラスポーツパークをきっかけに、行政や民間に障害者や障害者スポーツを支援する輪が広がればいい」と語る。
静岡新聞社