高校サッカー選手権、強豪校ひしめく“死の組”を制するのは? 難題に挑む青森山田、東福岡らプレミア勢
強豪校がひしめくAブロックを制するのは?
その“死の組”Aブロックは、プレミアリーグ勢の青森山田、尚志、静岡学園、東福岡が同居する最激戦区となった。 上記の4チーム以外にも専大北上(岩手)、新潟明訓(新潟)、阪南大高(大阪)、高川学園(山口)、長崎総大附(長崎)といった各地域のプリンスリーグで鎬を削る強豪校が入っており、県リーグで戦っているチームは僅かに3校(正智深谷[埼玉]、広島国際学院[広島]、高知[高知])。この数字からもいかにAブロックが“死の組”になっているかがわかるだろう。 そうした状況下で勝ち抜くのはどのチームも簡単ではない。その中で国立行きの最右翼はやはりプレミアリーグ勢だろう。今季は開幕当初からプレミアリーグで不安定な戦いを見せていた青森山田は現状高卒でプロ入りを決めたタレントはおらず、夏のインターハイも準々決勝で敗退。しかし、夏以降は昨年度のレギュラーで主将を務める右サイドバック小沼蒼珠を中心に一致団結。9月にはリーグ戦でJユース勢を相手に3試合連続完封勝利を収めるなど、右肩上がりで調子を上げて選手権出場を決めた。2回戦(シードのため初戦)で高川学園、順当にいけば3回戦では静岡学園、準々決勝では尚志もしくは東福岡と当たる可能性がある。タフな組み合わせになったのは間違いないが、堅守とセットプレーという一発勝負向きの2つの武器を組み合わせれば、十分に全国制覇を狙えるだろう。 ただ、青森山田が図抜けた力を持っているわけではなく、プレミア勢の力は横一戦。伝統のテクニカルなスタイルで勝負する静岡学園も力があり、尻上がりに調子を上げている。また、いきなり初陣で実現した尚志と東福岡は1回戦屈指の好カード。尚志はプレミアリーグEASTで残留争いを強いられているが、大内完介、髙橋響希といったテクニカルなMFが牽引する攻撃陣は破壊力がある。一方の東福岡は今シーズンから指揮をとるOBの平岡道浩監督のもと、粘り強い守備と攻撃力で福岡県大会を圧倒的な力で勝ち上がった。特にプレミアリーグ残留が決まった10月以降に攻撃をテコ入れし、両翼からの崩しを再構築。得点力が増し、伝統のサイドアタックが復活しつつある。近年は低迷し、3年ぶりの選手権出場になるが、勢いに乗れば全国制覇も夢ではない。 もちろん、プリンスリーグ勢も力があり、関西で上位争いを展開している阪南大高、北信越で2位に入った新潟明訓(新潟)も見逃せない。特に新潟明訓は新潟県大会の準決勝で帝京長岡を撃破しており、全国トップクラスのチームに対抗できる力を持つ。 強豪校がひしめくなかで、どこがAブロックを制するのか。優勝争いにも直結するだけに最も注目すべき山だろう。