ビッグネイキッドブームを牽引したホンダ“プロジェクトBIG-1”の軌跡〈CB1300SF〉
CB1000スーパーフォア登場
こうして1992年11月に、市販車として登場したのがCB1000スーパーフォアでした。 このバイクが目指したのは、ライダーの感性に訴えかける感動性能。先進性だけではない、バイクを操るという、普遍的な楽しさを追い求めたんだね。1994年には、初のバリエーションモデルとしてCB1000スーパーフォアT2という、ビキニカウル装備の、車体各部がブラックアウトされたモデルも登場しました。 ネイキッドブームが盛り上がる中、この威風堂々としたスタイリングと重厚感のある乗り味がユーザーに受け入れられ、大ヒット。 1996年にはついに免許制度が改正され、大型二輪免許が教習所で取得可能となったことも追い風となり、本格的なビッグネイキッドブームを牽引する、代表的な1台となりました。
CB1300スーパーフォアへ進化
1998年には、CB1000スーパーフォアはさらなる躍進を求め、CB1300スーパーフォアにフルモデルチェンジします! 前モデルでは998ccだった排気量が、当時のビッグネイキッドでは最大の1284ccにアップ! この排気量アップの背景にはヤマハのXJR1200や、スズキのGSF1200などのライバルたちが、軒並み1000ccを超える排気量のエンジンを採用していたことに対抗してだったんだ。 大排気量ながら、若いユーザーの意見を参考に乗りやすさを意識したこのモデル。ホイールが前後17インチとなったこともあり、CB1000スーパーフォアよりも足つき性が格段に向上しています。 また、このモデルで特徴的なのは、ダブルプロリンク式というリヤのサスペンション。リンク式サスペンションの、沈み込み初期は柔らかく奥で踏ん張るという柔軟な特性を、二本サスペンションでも、左右2組のリンク機構で実現したという、じつにホンダらしい凝ったシステムを搭載しています。 BIG-1のフルモデルチェンジは、バイクのほぼすべてに見直しが入るという、気合が入ったものでした。