【バスケ日本代表】トム・ホーバスHC「いい道に乗っています」 世界5位豪州との1分1敗の2連戦を総括
バスケットボール男子日本代表(FIBAランキング26位)は23日、きたえーる北海でオーストラリア(同5位)と国際強化試合の第2戦を行い、95-95で第4クォーターを終了。強化試合の規定により、勝敗を決めず引き分けで試合を終えた。 前半、河村勇輝が最初の5得点を一人で決めると、富樫勇樹の連続得点や川真田紘也のダンクなどで流れをつかむ。第2クォーターにはこの試合でA代表デビューを果たした佐々木隆成がドライブからレイアップシュートを決めるなど、残り5分32秒には42-30とリードを12点に広げる。しかし、その後はオーストラリアの長距離砲に苦しみ、49-49の同点で折り返す。 後半、一進一退の展開が続くも、第4Q残り4分2秒に河村からパスを受けたジョシュ・ホーキンソンがシュートを沈め、85-79と日本が前に出る。しかし、そこからターンオーバーが続いた日本はオーストラリアに10-0のランを許すなど、残り1分33秒で87-93と6点を追いかける苦しい展開に。 2連敗が濃厚かに思われたが、ここからエース河村が爆発。残り1分15秒にドライブからレイアップ、次のポゼッションではドライブから3点プレーを決めると、残り18秒にはステップバックから同点3Pをヒット。会場の盛り上がりは最高潮に達した。残り0.4秒には痛恨のファウルでオーストラリアにフリースローを与えてしまったものの、会場の大ブーイングにも助けられ、相手選手が2投とも失敗。95-95でタイムアップとなり、オーストラリアとの2連戦を1分け1敗で終えた。 日本は河村がチーム最多の28得点、ホーキンソンが23得点3ブロック、富永啓生が14得点、富樫が9得点を記録した。
課題のリバウンドと3Pは「いい道に乗っている」
北海道での2戦を1分け1敗で終えたアカツキジャパン。トム・ホーバスヘッドコーチ(HC)は「勝てなかったのは悔しいけど、負けてない」と振り返る。 2戦ともに前半はリードをつかみ試合を優位に進めるも、後半で逆転される展開に。代表選考も兼ねているため多くの選手を起用しているとはいえ、主力選手がプレーする試合終盤でも不用意なターンオーバーから相手に得点を与える場面も多く見られ、課題が残る2日間となった。 「オーストラリアのカムバック(追い上げ)の時にはターンオーバーが多かった。そこは日本のバスケットじゃない。それは直したい」とホーバスHC。「昨日(第1戦)相手が90点、今日(第2戦)も95点。そこは問題です。そこを直さないと。一番ショックだったのはそれ。相手が90点以上はちょっとびっくり」と語り、ディフェンス面の改善を誓った。 ただ、オフェンス面に関しては89得点、95得点と2試合連続でハイスコアを記録。八村塁や渡邊雄太らNBA組が不在ながら、これだけ得点を重ねられたことは収穫だといえるだろう。指揮官もオフェンスについては「(第1戦は)オフェンスはそんなに良くなかったと思った。スペーシングとかいろいろ。でも、89点をあのぐらい良くないエクスキューション(で取れたこと)はすごいかな。(相手のディフェンスは)スイッチングとか上手なタイミングでいろいろやっていた。でも、うちは答えがあったから。それはいいことです」と評価している。 パリ五輪に向けての課題として挙げていたリバウンドについては両試合ともにオーストラリアに差をつけられたものの、チームとして最善策を探っている状態だ。ホーバスHCは話す。 「昨日(第1戦)は第1クォーターはリバウンドで勝てた。それだけで、その後は負けて、負けて、負けて。でもそれはオンボールでアグレッシブディフェンスをやっているから、うちのセンター陣が相手のフローリング選手と相手のセンター陣の間にちょっとスペースがあったから。今日は相手のセンター陣とコネクト(密接)になったから、うちのリバウンドが良くなった。スティールを増やすんだったらもっとオンボールディフェンスが必要。でも、それだったらリバウンドがダメになる。上手に(オンボールディフェンスとリバウンドの)両方をしっかりやりたい。そこはゲームバイゲーム(試合ごと)でアジャストはする。難しい問題ですよ。リバウンドだけ考えたら、他のことはダメになる。そのバランスをいま探しています」 一方、同じく強化ポイントとなっていた3Pシュートに関しては上々の出来だったようだ。 「(第2戦では)3Pシュートは38%。昨日は34%だったけど、去年の問題は3Pのキャッチ&シュートが全然ダメだったこと。昨日は全然悪くなかった。少しずつですよね。今日も前半うちは10点差ぐらい勝っていて、マコ(比江島)が(3Pを)落とした。勇樹も落としたかな。でも、あれはいいですよ。あの二つのショットは全然いい。全然悪くないと思います。いい道に乗っています」