大河ドラマ「べらぼう」江戸の出版王を演じる横浜流星が王の称号を得るとしたら…?
――蔦屋重三郎についてまだ知らない人も多いと思いますが、横浜さんから見て蔦重のすごいところを教えてください。また、蔦重の才能で自分にも欲しい能力があれば教えてください! 「彼は、今で言うと出版社の社長でありながら、プロデュースも営業も全て自分で担う本当に多才な人物で。なぜそれができるのかというと、情に厚かったり、責任感があったり、失敗しても心が折れない強いメンタルだったり、元々持っているものもいろいろあると思うんです。でも、一番の彼の魅力は『自分ではなく誰かのために動けるところ』だと僕は感じていて。世の中、そういうふうに思える人間は強いなと思います。何倍もの力にもなりますし、協力も得られるので。僕も自分だけではなく、誰かのためにも頑張れるような人間でありたいなと思います」 ――蔦重は他人のために走り回る男気あふれる人物でありながら、自分の恋心には鈍感ですよね。台本を読んで横浜さんはどう感じましたか? 「吉原の男女がそういうもの(恋心)を持ってはいけないというおきてがあるので、植え付けられているんだと思います。でも、その鈍感さが彼のいいところでもあるので。思う存分に、鈍感にやっています(笑)」 ――視聴者には、もどかしくドキドキしながら見ていただいて…。 「蔦重がドキドキさせられるのか分からないですけど(笑)、皆さんにツッコミながら見ていただけたらいいなと」
――蔦重の魅力も教えてください。 「蔦重は、人間くさくて感情移入しやすい人物だと思います。情けないところもあるんですけど、行動力がすさまじくて。蔦重が田沼意次(渡辺謙)に会いに行くシーンがありますが、今で例えると、いち国民が直接総理大臣に会って意見を言うようなもの。毎回、彼の行動力には驚かされます。で、その行動を深掘ると、誰かのために行動しているので、人間としてすごくリスペクトしています。今回、たくさんの登場人物がいますが、森下先生がしっかり描いてくださったので、みんなが魅力的に輝いているんです」 ――監督から、蔦重を演じるに当たってお願いされたことはありますか? 「『明るく!』って言われます。自分は朝が弱くて、特に朝は言われます(笑)。でも、明るいのが彼(蔦重)の良さでもあるので、明るさは大事に演じています」