「資産運用は危険だから手を出さない」という両親。今の時代、貯金の金利は低いと思うのですが、積極的に貯金するメリットはあるのでしょうか…?
貯金のメリットとデメリット、資産運用に対するリスクとリターンのバランス、貯金の安全性など、資産形成に向けた選択肢を紹介します。また、ご両親の意見と現代の資産運用の考え方を比較し、最適な貯蓄方法を提案します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
金融資産の種類と使用割合
銀行の預金では「定期預金」「総合口座」「積立定期預金」の3種類が一般的に利用されています。また、最近では株式や投資などの有価証券を用いた資産運用も多く利用されています。 金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査2023年(単身世帯調査)」によると、2023年の金融資産が平均941万円で、預貯金は平均408万円(43.4%)です。資産運用などの「有価証券」は、平均372万円(39.5%)と迫っています。 同様に総務省統計局がまとめた「家計調査報告(貯蓄・負債編)2023年(令和5年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」では、1世帯あたり貯蓄現在高(平均値)は1904万円で、そのうち金融機関での割合が1873万円(98.4%)でした。 通貨性預貯金(普通預金など)は660万円(34.7%)、定期性預貯金は537万円(28.2%)、有価証券は323万円(17.0%)です。 定期性預金や生命保険などを使って貯蓄している人の割合は減少していますが、通過性預貯金や有価証券の割合は増加しており、資産運用も預金と同様に活用する人の割合が増加していることがわかります。
資産運用って安全なの?
預貯金を投資に配分して効率的に増やすことを「資産運用」といいます。預貯金は金額が減ることはありませんが、資産運用は「元本割れ」というリスクがあり、預けた金額を下回ってしまうことがあります。 リスクを抑えて運用したい場合は、長期投資がおすすめです。また、投資先の経営状況などを把握するだけでなく、経済全般の知識や情報収集も必要になります。そのため、知識が乏しく、お金が減るリスクを避けたい場合には、預貯金を利用しましょう。 一方、お金をコツコツ長期間積み立て続け、情報収集も余念がなく、長期的に資産を増やしたい場合には資産運用が向いています。