わが子に「ウザい」「消えろ」と言われたら 「子どもの暴言」親が知らない思春期の子の“本質”
●前頭前野の未発達でキレやすくなる 京都大学の森口准教授によると、12才~15才(中学生)の頃は小学生の頃より欲求をコントロールする力が一時的に下がりキレやすくなるそうです。というのも、中学生は小学生よりさまざまな欲求が増えるのに、欲求を抑えるブレーキの前頭前野がまだ十分に成長していないからです。 ■高校・大学と成長するに連れてバランスが取れるように 小学生はブレーキも未発達ですが、アクセルもまだそれほど強くありません。それでうまくバランスが取れていて、それほどキレないのです。
その後、高校・大学と成長するに連れて前頭前野が成長するので、またバランスが取れるようになっていきます。 ●自我の確立という大きなテーマに挑んでいる 思春期の子は精神的にも自我の確立という大きなテーマに挑んでいます。例えば、「自分は何者なのか? どう生きるべきか?」などと悩んでいたりします。自分の土台を確立するための葛藤でありこれも不安定の要因です。 ●権威的な存在への反発 「親や先生は本当に正しいのか? 言うこととやっていることが違うのではないか?」など権威的な存在への疑いや反発も感じています。また「世の中はこれでいいのか? 間違っているんじゃないか?」などの疑いも持ち始めています。それもまた不安定さにつながります。
●友達関係での気づかいや悩み 思春期の子は親や先生などの権威に反抗して自我を確立する時期ですが、それは簡単なチャレンジではなく不安に満ちたものです。そこで、一緒にチャレンジしてくれる同士としての友達の存在が重要になってきます。 その結果、友達とよい関係を築くことに非常に気をつかうようになります。つねに友達との関係で自分の立ち位置や振る舞いに気を配り、自分がどう思われているか、孤立していないかなど、必要以上に心配しています。これもまた大きなストレスです。
●学力や将来への不安 勉強がどんどん難しくなり、学年が上がれば上がるほど学力差が大きくなるので、勉強について焦りを感じる子も増えていきます。学力は進路の決定にも影響してきますので、同時に将来への不安も感じるようになります。気にしてないように見えても実は気にしているのです。 ●多忙ですり減っている 思春期の子たちは本当に忙しいです。学校、部活動、委員会、塾、習い事、リアルとオンライン両方での友達との交流など気が休まるときがありません。家に帰っても宿題やら何やらで追いまくられます。以上のようなことが反抗期の子の暴言の背景にあります。つまり、仕方がない面があるのです。このことをしっかり理解しておきましょう。