米銀破綻でヘッジファンドが「あおぞら銀行」の売り仕掛けに走った理由
便利なサービスが新たな形の預金流出に結びつく課題が浮上(写真・あおぞら銀行HPより)
米国で3月にシリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー銀行が相次いで破綻。5月1日にはファースト・リパブリック銀行の預金と全資産をJPモルガン・チェースが引き継ぐと発表した。事実上の破綻処理である。 米国発の銀行危機はグローバルに伝播し欧州でクレディ・スイスを襲ったが、日本の金融市場には比較的平穏なムードが漂っている。「我が国の金融機関はシリコンバレーバンクと異なる」と鈴木俊一・金融担当相は4月6日の参院財政金融委員会で説明した。邦銀の預金保険カバー率は7割、米銀全体のそれは5割に止まる。SVBは経営不安を起点に預金が一挙に引き上げられたが、日本はそうした取付け騒ぎに強いのだ――。 確かに、預金者にとっての安心感は邦銀が相対的に高いだろう。だが、銀行株そのものに売買のチャンスを探す市場関係者は、そんなことに頓着しない。米銀破綻と連鎖し得るリスクを抱えた邦銀はどこか。外資系ヘッジファンド幹部が名前を挙げたのが、あおぞら銀行である。
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