佐藤健 真夏にコートで汗だくロケ“激やせ”も自ら売り込んだ作品で世界ヒットを狙うゆえか
ドラマや映画ロケの名所として知られる都内の某交差点で、8月下旬、大掛かりな撮影が行われていた。 【写真アリ】真夏にコートでロケに挑む佐藤健 「交差点にかかる陸橋の上にいるロケ隊を見上げて、20人ほどの女性たちが黄色い歓声を上げていたんです。双眼鏡で覗いている人もいたから、私も目を向けると、男性と女性の役者が2人。そして男性は、あの佐藤健さんだったんです」(近隣住民) 照りつける強い日差しのなか、過酷なことに真冬のシーンの撮影だった模様。厚手のコートを着込み、シリアスな顔で陸橋の上を歩む佐藤を女優・宮﨑優が追いかける。「はい、カットぉ!」の掛け声とともに、汗だくの2人にスタッフが駆け寄り扇風機を当てると、佐藤の顔から笑みがこぼれた。 スタッフが手にするカチンコには、筆記体で「GLASS HEART」とある。どうやら、2025年にNetflixで独占配信予定のドラマ『グラスハート』の撮影のようだ。 「国宝級イケメン俳優・佐藤健が惚れ込み、『十年前から好きなんです。十年経っても好きだから、僕がプロデュースします』とまで言わしめた原作の実写化です。本作は佐藤が主演、共同エグゼクティブプロデューサーを務め、共演にはオーディションで選ばれた新人女優の宮﨑優、さらに町田啓太、志尊淳、菅田将暉らが顔を揃えています」(映画ライター) 原作の『グラスハート』は、若木未生によって1993年から現在にかけて書き継がれている名作。原作者に映像化を売り込んだのも佐藤自身だったという。内情を知る制作会社関係者が語る。 「2022年に健さんが主演したNetflixドラマ『First Love 初恋』も、この『グラスハート』を制作したいがために受けたようなものと言われています。そもそも、彼が2021年にアミューズから独立し、アミューズに出資してもらって別会社を作ったのは、自分で出演作を選びたいからでした。健さんとしては、『ラブコメのような押し付けの仕事はもう結構。今後の出演作は自分の意志で決め、自分がプロデューサーも兼ねる作品を制作していきたい』と、アミューズ上層部に直談判したといいます。 その第一弾が『グラスハート』で、企画はちょうど『First Love 初恋』を制作している最中に持ち込んでいます。企画のプレゼンも健さん本人が会議に出向き、説明しました。『自分の俳優人生をすべて賭けます』と会議で言い切ったそうですから、本気度が伝わりますよね。健さん自ら実写映像化の許可を原作者にもらいに行き、原作者をいたく感動させたそうですよ」 最近、佐藤は激やせした姿が話題となった。 「その一因は制作費の大きさにあるかもしれません。邦画なら5~6本撮れるくらいの予算だと聞いています。1話が約1億円。つまり、『愛の不時着』クラスの予算で、映画なら『パラサイト』が撮れる規模です。そのドラマの主演であり、ゼネラルプロデューサーですから、責任は重大ですよね。普段以上に神経をとがらせていてもおかしくありません。出来によっては、全世界で大ヒットしたドラマ『SHOGUN 将軍』の主演・プロデューサーを務めた真田広之さんのように、ハリウッド映画からお声がかかる俳優になるのも夢ではない。佐藤さんの狙いはまさにそこで、世界に通用する壮大なドラマを日本発で作る意気込みでしょう」(同前) さらに本作の見所のひとつが、結集した豪華キャストだ。佐藤健は「ロック界のアマデウス」と呼ばれる天才音楽家・藤谷直季という役どころ。所属していたバンドを理不尽な理由でクビになった大学生・西条朱音を演じるのは、新星・宮崎優。この2人を軸に物語は展開する。 「圧倒的熱量で贈る、至高の『青春音楽ドラマ』が誕生する!!」 そんな触れ込みの同作を支える役者陣は、まさに佐藤に共鳴して集まった面々である。 「キャスティングは、健さん本人が動いて決めていきました。菅田将暉さんや町田啓太さん、志尊淳さんら主演級の俳優が脇で出てくれた理由は、健さん本人が直接口説いたからです。1人1人、食事に誘って出演を交渉。ほぼその場で、全員にOKはもらえたようです。健さんの夢に同志が賛同して集まった、と言っていいと思います。 一方、主演に抜擢されたドラマー役の女優・宮崎優さんは、無名の新人です。その彼女を抜擢したのは、ドラマの内容と同じように、次第に人気が沸騰してスターダムを駆け上がってほしい…という意図があったから。 劇中、彼女の人生を大きく変えるのが健さん演じる天才音楽家。天才ゆえに神経質でありながら、カリスマ性もないといけない。自分が演じたい理想像があるからこそ、あのように痩せ細っているのだと思います」(同前) 佐藤健が役者生命を賭け、一世一代の勝負に出た話題必至の『グラスハート』。そのハードな撮影も、佳境を迎えている。 「ライブシーンの撮影が夜中の2時くらいまで東京郊外であり、翌日は朝10時から撮影開始。監督は2人いますが、主役は健さん1人しかいませんから、寝る間を削るしかない。9月にはクランクアップが理想ですが、健さんはそこから編集作業にも立ち会うことになります。Netflix本社のOKももらわないといけないのはもちろん、来年に入ると今度はプロモーションに追われることに。気力だけじゃもたないですよね。『愛の不時着』くらい全世界でブレイクすれば、苦労も報われます。いずれにせよ、彼の代表作になるのは間違いないでしょう」(同前) はたして世界が瞠目する大ヒット作となるか、配信が待ち遠しい――。