難関国立大で文武両道に励む。“傷だらけの守護神”小林航大は、プロサッカー選手と教師になることを目標に邁進中
交代を告げられると、べンチの裏で泣き崩れた
昨年度の全国高校サッカー選手権大会で、初出場ながらベスト8に進出した名古屋高を覚えているだろうか。躍進しただけではなく、県下有数の進学校として選手権期間中やハーフタイムに部員たちが勉強に打ち込んでいる姿が話題になった。 【画像】堀北・ガッキー・広瀬姉妹! 初代から最新20代目の月島琉衣まで「選手権・歴代応援マネージャー」を一挙公開! ベスト8へ進むなかで『傷だらけの守護神』として注目を集めたのが、GK小林航大だった。1回戦では優勝候補の日章学園を相手に、PK戦ではエース高岡伶颯(サウサンプトン内定)のPKを横っ飛びでセーブ。4人目もストップして金星に貢献した。 3回戦の前回王者の岡山学芸館戦でもPK戦において小林は7人目をストップし、チームをベスト8へと導いた。 準々決勝の市立船橋戦で1-2と敗れた後のミックスゾーン。両足を捻挫し、痛み止めを打ちながらの連戦だったこともあり、身体が悲鳴を上げて椅子に座っての対応となった。 「もうボロボロになってでも、この大会は戦い抜きたいと思っていました。ベスト8という結果は胸を張っていいと思います」 こう口にしていた小林だが、今後のことを聞かれると、「ここからは受験に本格的に打ち込まないといけません。もう時間がないので、まずは勉強をします。大学はまだどこに行くか決めていませんし、大学でサッカーを続けるかも決めていません」と答えていた。 あれから約1年、小林は12月13日に開催された全日本大学サッカー選手権大会(以下、インカレ)の強化ラウンドのピッチに広島大学の守護神として立っていた。 広島大といえば戦前からの歴史がある旧官立大学の1つで難関国立大。近年はサッカーに力を入れ、一昨年度のインカレに出場。昨年度のインカレはベスト16、今年度の総理大臣杯でベスト16とめざましい成績を残している。 そのなかで小林は1年を通してなかなか出番を得られなかったが、インカレの初戦となる予選ラウンドの桐蔭横浜大戦で初スタメンを飾ると、1-5で敗れたことで進んだ前述の強化ラウンド初戦・富士大学戦で2試合連続スタメンを飾った。 「本当にレベルが高かった。フィジカルの強さだったり、スピード感だったり、高校とはレベルが違う。そこにもっと自分が馴染んでいかないといけないと思いました」 試合後、話を聞いた時の彼の目は真っ赤だった。この試合、前半で2点のリードを得るが、後半にプレーがばたつき、1失点目は飛び出しの判断ミス、2失点目はアディショナルタイムのPKを止められず。2-2になった2分後に交代を告げられると、べンチの裏で泣き崩れた。