『「JUNE(ジュネ)」の時代 BLの夜明け前』著者、佐川俊彦さんインタビュー。「恋愛=男女という縛りを解く実験でした」
共通の話題で友情が続く、一番貢献できたのはそこかな。
さらに実験的な元祖BL雑誌としてはあまりにも文学的かつ豪華な内容だったのも、『JUNE』が熱狂的に支持された理由。それには、文具店のコピー機での増山法恵(竹宮惠子のブレーン)との偶然の出会いや、大学のサークル『ワセダミステリクラブ』繋がりから中島梓が常連執筆者になるなど、佐川さんの縁が欠かせないが、 「僕はそこに居合わせた、歴史の目撃者になれただけ。ただ、共通の話題とすることで、女の友情が、うまくいくと死ぬまで続く、あの雑誌を作って一番貢献できたのはそれかな」と振り返る。だからこそBL界隈でたびたび見かける、読者によるキャラクター解釈の違いから起きる論争には少々困惑気味。 「社会に決められた男女のルールからせっかく逃れてBLの世界にやってきたのに、内輪揉めするのは悲しいですよね」
撮影・青木和義
『クロワッサン』1121号より
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