「俺はお金に興味がない。プロレスに興味があるんだ!」ブライアン・ダニエルソンから“世界一”の称号を受け継いだザック・セイバーJr.が語るプロレスへの信念
バックステージに戻ったザックは「それまでハードコアなデスマッチなどのプロレスが支持されていて、プロレスにはアイデンティティがなかった。俺は日本のプロレスに夢中だった。2008年、イギリスのヒョロヒョロに痩せたティーンよりも痩せたハタチの俺が、不思議な縁で世界一のテクニカルレスラー、ブライアン・ダニエルソンと試合が組まれた。トリプルXレスリングのコヴェントリーでの大会だ。45人程と数匹のペットが観客だったと思う。ブライアン、お前は5分で試合に勝って、すぐにその場を去ることができたはずなのに、人生で一番のレッスンを与えてくれた。俺のキャリアの方向がそこで一変したんだ。その場で。その試合で。そしてブライアンはまた一歩先に、世界最大のプロレス団体に向かった。俺たちのプロレスをプロレスではないと拒否する団体だ。ブライアン、それでもお前はどんな逆境の中でも、団体にとってなくてはならない存在になってきた。そしてプロレス界全体においても、ブライアンが成し遂げてきたことは大きな意味を持つんだ。ブライアンが世界最大のプロレス団体で活躍し億万長者になっていた頃、俺はどのメジャー団体からのオファーも断り続けた。まだ成し遂げられていないプロレスの未来へのビジョンがあったんだ。俺はこれからも人生の全てをこのスポーツに捧げるつもりだ。感謝も祝福も期待していない。そしてある日忽然と姿を消すだろう。その日まで、俺は毎日新日本プロレスにいるだろう。日々、プロレスの概念を覆すために働き続けるだろう。そして1人、また1人と億万長者が増えていくたびに、俺はここにいる決意が強くなる。それは愚かなことだと思うからかもしれないし、資本主義を信じないからかもしれない。そしていつの日か、俺はここを平等な社会主義な組合に変えてやる。俺はお金に興味がない。プロレスに興味があるんだ。2024年、俺はIWGPヘビー級王座を獲って、プロレス界を一変させてやる。1人でやるんじゃない。ここにいるアホどもと一緒にだ」とブライアンへの感謝の気持ちとTMDKの仲間たちとプロレスを究めていく覚悟を語った。 一方、ブライアンは「俺の目も腕も100% 完治している。そして今夜、俺は魂を100%尽くした試合をした。魂を100%尽くしたんだ!それにも関わらず、アイツ、ザック・セイバーJr. は俺に勝ちやがった。俺はアイツと握手を交わし、リスペクトを見せることしかできなかった。そして、俺が持っていた称号を譲るしかなかった。“世界一のテクニカルレスラー”はもう俺ではない。それはザック・セイバーJr. だ」と最強の称号をザックに譲った。