イオンモール名取に無料の大型アスレチック 行政とタッグで要望実現
宮城県名取市は「イオンモール名取」内に、無料で子供が遊べる大型の屋内遊戯施設を新たにつくる計画を明らかにした。施設整備はイオンモール側が、運営は市が担い、タッグを組んで市民の要望を実現する。議会の承認が得られれば来年4月中にオープンする予定。 【写真】「イオンあるから転居」閉店から1年 町長はデマ消した 市こども支援課によると、遊戯施設はモールの2~3階部分の吹き抜けにネットのアスレチックを作り、1階部分にはデジタル技術を使ったパネル遊具を置き乳幼児も遊べるエリアをつくる。1階部分の敷地面積は約150平方メートル。県産材を使った木のぬくもりが感じられる空間にする計画だ。 0歳から12歳が保護者同伴で利用でき、利用料は無料。開館時間は午前10時から午後6時を予定する。 市は今春、子育て支援計画を作成する際に、幼児や子どもの保護者計2600人の市民へのアンケートを実施。市によると、自由記述で「ダントツに多かった」という声が、屋内遊戯施設の要望だったという。「猛暑や豪雨で安心して外遊びできない」「夏休み中に運動不足になる」といった理由が書かれていた。市民の声を受け、施設整備を検討したが、高額な設備費の負担がネックとなっていたという。 一方で、イオンモール名取から市に無料の屋内遊戯施設をつくる提案があり、協議を続けてきたという。同施設は2007年開業。2019年に大規模リニューアルを行ったが、6年を目安に再び大きなリニューアルを計画する中で、「キッズ、ママ・パパのファーストモールを目指す」という方針から「地域に喜ばれるアップデートをしたい」と考えたことが理由だ。 また、市とイオンモール(千葉市)が3月下旬、安全で暮らしやすい街づくりや子育て推進で官民協働する包括連携協定を結んだことも後押しになった。施設の工事や備品購入など設備面の費用約1億3千万円とメンテナンス費用はイオンモールが負担し、市は利用者の見守りや時間内の清掃といった運営を担う。市は業務委託する考えで、委託事業者を提案方式の審査で選ぶ予定だ。 市の担当者は「建設費用や駐車場の課題もあったが、良い形で整備できそう」と喜ぶ。イオンモール名取によると、自治体に運営を任せる形で無料の屋内遊戯施設をつくるのは、全国160カ所を超えるイオンモールでも初となる。 市は市議会12月定例会に関連する予算案を提出。認められれば、1月末ごろに運営事業者を決め、来年4月中旬のオープンを目指す。(福留庸友)
朝日新聞社