中国で『日本人宿泊拒否』防犯ブザー鳴らし日本人宿泊客に「出てけ」 フロント女性は“ヒロイン”に 新規開業の売名行為か
■ホテル側は「忙しい」と取材拒否
今回の騒動の後、ホテルの予約サイトを確認すると、「日本人お断り」と表記されている。 しかし、中国政府は外国人観光客を呼び込もうと、どの宿泊施設でも外国人を宿泊させるよう指示を出している。 では、なぜ宿泊を拒否したのか。 ホテルを取材すると…。 (Q.なぜ日本人の宿泊を断ったのでしょうか?) ホテル担当者:それに関しては、これ以上コメントはしません。仕事中ですので。 ホテル側は「忙しい」などと、拒否した理由については答えなかった。 この事態の背景には一体なにがあるのだろうか。
■中国国内でも問題視 動画が次々と消える
ホテルが日本人を宿泊させなかった理由は、やはり反日感情が原因なのだろうか? 上海支局 沖本有二支局長:はい。そうですね。その後、ホテルにもう一度電話取材をかけてみました。すると、『外国人はこのホテルには泊める資格がない』と火消しに走るような回答が返ってきました。 実際、このホテルの予約サイトを見てみると、はっきりと『日本人は宿泊することができない』と書かれています。つまりこのホテルは、日本人を少なくとも特別視しているのは確実だと言えると思います。 日本では、外国人という理由で泊めないとなると、法律違反になるわけだが、中国国内では問題になっていないのだろうか? 上海支局 沖本有二支局長:これが問題になっていると思われます。今、中国ではどの宿泊施設も『外国人を受け入れなさい』というお達しが出ているんですけれども、今回、ホテルがやったことというのはそれに明確に反しているんですね。 この数日、この問題の動画、そしてこの問題を報じるメディアというのが次々とネット上から姿を消していきました。この話題が、はるばる日本のメディアでもこうして報じられるようになったことから、おそらく何らかの指導があったのではないかなと思われます。
■「今のセリフもう一度言って」動画は宣伝目的で撮影か
なぜこのホテルは、『日本人宿泊拒否』としたのか? 上海支局 沖本有二支局長:そこがポイントなんですけれども、実はこのホテル、この夏にオープンしたばかりなんです。この動画を撮影している人は、明らかにホテルのカウンターの中にいます。 しかも、しゃべっているフロント係の人に、『今のセリフもう一度言ってください』とか、そういう指示まで飛んでいるんです。 撮影している人がホテルの関係者と見られる以上、おそらくこの動画というのは日本人宿泊客を拒否したということで、話題作りを狙った売名行為のようなものなのではないかなと考えてしまいます。 SNS上では、この行為について、中国の方から称賛するような声も投げられているのも確かなんですけれども、私が多くの中国の方と話した中では、宿泊拒否やこうした行為を称賛するというのは、眉をひそめる人、非難する人がほとんどでした。 私も中国で生活している日本人ですけれども、こうした声が大多数だとは思わずに、冷静に受け止め、過敏になりすぎないように気をつけた方がいいかなと思っています。