ザトウクジラの豪快な食事法「気泡で網を作って獲物を一気に食べてます」
一度にたくさんの獲物を食べられるから
ではなぜ網を作るのかというと、一口でより多くの餌を集められるからのようです。網を作るクジラたちが追い込んだ獲物たちに向かっていく1回の間に、網を作らないクジラは最大15回獲物に向かっていく必要があると論文では述べられています。全体として、網で集められた獲物の密度は7倍も高いと推定されています。 研究チームは、このクジラの行動が道具使用の定義を満たすと主張しています。道具使用の定義は「取り付けられていない環境中の物体」を目的を持って使用し、別の物体や生物を変更、位置決め、あるいは制御することなんだそうです。 また道具の製作は、哺乳類、鳥類、魚類、昆虫など、さまざまな種で見られていますが、動物界において実は一般的な行動ではありません。 ハワイ大学海洋哺乳類研究プログラムのディレクターLars Bejder氏はプレスリリースで 多くの動物が餌を見つけるために道具を使いますが、実際に道具を自ら作ったり修正したりする動物はごくわずかです。ザトウクジラは、内側に輪がある網を巧みに泡で作り出し、輪の数、網のサイズや深さ、泡と泡の間隔など、細部を積極的に制御しています。 と説明しています。
岩田リョウコ