みかん2個分の果汁と果肉が入った缶ドリンクがアジアで人気 発売20周年にパッケージを刷新し国内でも好機到来
ポッカサッポロフード&ビバレッジの缶ドリンク「ほおばる果実 つぶたっぷり 贅沢みかん」(400g)が近隣のアジア諸国で人気を集めている。 12月20日、取材に応じた高井朋子マーケティング本部ブランドマネジメント部マネージャーは「近隣のアジア諸国に輸出しており、担当者に現地の反響を聞くと“つぶがたっぷり入った日本製商品”と人気を集めているという」と語る。
これには、アジアでの日本産果物の人気が後押ししている可能性がある。 同商品は、みかん2個分の果汁と果肉がたっぷり入った40%混合果汁入り飲料。 2004年に「つぶたっぷり温州みかん」の商品名で発売開始され、以降、中身とパッケージを磨いて進化を遂げている。 皮をむいたみかんから“じょうのう(果肉が入っているふくろ)”や繊維束を取り除いたつぶつぶの果肉を“砂のう(さのう)”と言う。 同商品は、独自技術により、みかん砂のうを多めに入れ、つぶつぶ食感を打ち出している。 「つぶつぶ食感をダイレクトに感じられるように作っている。果肉量のばらつきを抑える管理をしているのもこだわりの1つ」と説明する。 みかん砂のうは潰れやすいため、それをいかに潰れにくくするのかが独自製法の肝。 味わいは、みかんの優しい甘さがポイント。「糖と酸のバランスにこだわり、酸味が立ち過ぎないように爽やかな味わい」を志向している。 原材料価格などコストアップを受け5月に価格改定を実施した。 より贅沢感を出すために、9月にはパッケージを刷新し、黒色の背景にみかんのシズルを強調して高級感を演出している。 加えて「つぶたっぷり」の商品名の「つぶ」の文字を従来品よりも大きくデザインし、新たな試みとして“みかん2個分の果汁”をあしらった。 「ターゲットは30、40代男女。果物の代わりに、ちょっと自分が頑張ったときのご褒美として飲まれている傾向にあることから、パッケージを刷新して潜在的な健康ニーズやご褒美ニーズにより対応していく」と述べる。 子どもを持つ30代から50代女性の代理購買ニーズも見込む。 発売20周年を迎えた今年、時短・簡便ニーズの高まりやオレンジ果汁の供給不足などを背景に国内でも好機が訪れる可能性がある。 「今、カットフルーツが売れていたり、皮をむいたりゴミが出るのを手間だと感じられる方もいる。オレンジジュースがどんどん値上げする中で、オレンジの代わりに飲まれるお客様も少なからず存在するものと思っている」とみている。 主要販路はスーパー・量販店・ドラッグストア。ECでも販売している。 「ほおばる果実」シリーズには「サクサク角切り贅沢りんご」もラインアップし2017年から販売している。 同社は砂のう入り飲料のパイオニア。1979年に旧ポッカ・コーポレーションが粒入り缶ドリンク(250ml)、1980年に旧サッポロ飲料が「リボン」ブランドから砂のう入り缶ドリンクを発売した。