両リーグ最多「22失策」で「バント攻め」の餌食に…阪神優勝のカギを握る「佐藤輝明」、岡田監督ガマンの采配はいつまで続くか
どこまでガマンするのか
「佐藤を外野にコンバートすべきだとの意見も阪神OBから出ており、岡田監督の耳にも届いています。でも、外野には前川、近本、森下がいて、佐藤を外野にまわせば3人のうちの誰かをスタメンから外さなければなりません。一塁の大山を三塁にし、佐藤に一塁を守らせる案も聞かれました」(前出・同) 守備能力を数値化する「UZR(Ultimate Zone Rating)」なる計算式がある。三塁手部門を見てみると、巨人が18.0なのに対し、阪神は「-12.8」(9月1日時点)。巨人が突出して高いのは仕方ないとしても、2ケタ台のマイナスを記録しているのは12球団で阪神だけだ。 佐藤は守備でミスをすると、グローブで顔の下半分を隠すことが多い。自分を鼓舞しているのか、愚痴をこぼしているのかは分からないが、失敗を引きずるケースも少なくない。 「佐藤が巨人のバント攻撃の標的にされた1日の試合ですが、菅野の外角ギリギリに投じられたカーブをボール・カウントだと思って見送ったら、見逃し三振とジャッジされました。少しの間、納得のいかない表情を見せていました。バント処理のミスに至る佐藤の動揺は1回裏の第1打席から始まっていたのかもしれません」(前出・関係者) それでも、岡田監督は佐藤を三塁で使い続けている。頑固な性格なのは有名だが、鳥谷敬氏を遊撃で使い続けた第一次政権を重ねて見るチーム関係者もいる。レギュラーを育てるためには、どんなにミスが続いても途中で変更してはならないとの信念があるからだ。優勝争いに生き残るにはもう一つも負けられない。「三塁手・サトテル」を育てるために失った代償はあまりにも大き過ぎる。
デイリー新潮編集部
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