11位で予選通過ならず悔し涙を流す東農大の選手たち（撮影・滝沢徹郎）

＜第101回箱根駅伝予選会＞◇19日◇東京・陸上自衛隊立川駐屯地～立川市街地～国営昭和記念公園◇ハーフマラソン（21・0975キロ） 【写真】肺気胸の影響で出場できなかった絶対的エース 　1秒差が箱根駅伝本戦切符の命運を分けた。総合優勝11度の名門・順大が、浅井皓貴（4年）の日本人2位の力走などで11時間1分25秒で10位に滑り込み、14年連続66回目の本戦出場を決めた。11位で落選した東農大との上位10人の合計タイム差はわずか1秒だった。 　　　　　◇　　　　◇　　　　◇ 　他校10大学の歓喜の声が響き渡った後、その知らせがより選手の涙を止まらなくさせた。「11位、東京農業大学」のアナウンスの後に、タイムが発表されると、すすり泣く声が響いた。10位の順大との差は1秒。高島侑翔主将（4年）は「とにかく、本当に悔しい。あと少しで届かなかった」と声を震わせた。 　絶対的なエース抜きで戦う。チームに伝達されたのは8月上旬。前回は日本人トップで10年ぶりの本戦へ導いた前田和摩（2年）が、1万メートルで3位に入った5月の日本選手権後に肺気胸を発症した。現在も回復途上で、小指監督は「先がある子。将来も五輪で活躍してほしい」と決断した。 　この日はサポート役に徹した前田は「みんな本当に僕の分まで頑張ってくれた。走らなければ僕がいる意味はない」と言葉を絞り出した。同監督はエース抜きでの奮闘を前向きに捉え、「来年は前田も復活する。思い切ってトップ（通過を）狙う」と見据えた。