【夏の甲子園”ピカイチ”選手・大会初日】滋賀学園・脇本耀士に感じた”圧倒的な伸びしろ”、糸を引く直球とキレる変化球で次戦も期待
第106回全国高校野球選手権が7日、開幕した。今年は甲子園誕生100周年の記念。例年以上に、甲子園の神様が「金の卵」を多く用意してくれていると勝手に思っている。将来の日本プロ野球シーンで活躍してくれそうな人材発掘にトライしてみたい。 【一覧】第106回全国高校野球選手権大会 組み合わせ 初日から目に留まった投手がいた。開幕戦で勝利した滋賀学園(滋賀)の先発マウンドに立った脇本 耀士投手(3年)だ。滋賀大会では背番号10も決勝で完封するなど、大活躍したと聞いて、どんな投手かと気になっていたが、想像以上の素材だと感じた。 有田工(佐賀)相手に2回までパーフェクト。初回は三者連続でスライダーの見逃し三振に仕留めた。3回に失策もあり1点を奪われると、4回には連打を浴びて4回途中、6安打4失点(自責1)で降板した。結果だけは活躍できなかったが、投手として将来伸びる要素がたっぷりあると感じた。 最速143キロという直球が糸を引くように低めへ決まる。この日の最速は142キロだったが、打者からすれば、体感的には数字以上だったかもしれない。下半身をしっかり使って投げる上に、リリースポイントがかなり前。右肩の可動域が広そうで、腕がしなるように見える。このフォームが、低めへ伸びるような直球につながっているのだろう。やや左足がオープン気味にステップするのは気になるが、右足のケリも強く、下半身の強さが直球にも乗り移っているようだ。 リリースポイントが前のため、変化球も切れる。脇本はこの日の投球について「初回はよくて、直球の勢いは良かった。でも、変化球の精度が甘く、直球に頼る形になってしまいました」と、変化球の調子が悪かったことを反省点にしていた。 「エースとして働きができず、悔しい。2回戦までに変化球の精度を高めていきたい」 まだまだ伸びる要素しかない。次戦では糸を引くような直球と、精度の高いスライダーなどの変化球を、思うところにズバズバ決める姿に期待したい。 ◆脇本 耀士(わきもと・てると) 2006年10月20日生まれ、大阪府出身。小1から平野エンゼルス(軟式)で野球を始める。小4からの堀江ボーイズ時代(硬式)には全国大会を経験。中学からは硬式の東住吉シニアでタイガースカップ出場、全国大会ベスト8の実績がある。滋賀学園では投手として1年秋からベンチ入り。変化球は縦横のスライダー、カーブ、チェンジアップ、スプリット、ツーシームがある。50メートル走6秒5、遠投110メートル。176センチ、81キロ。右投げ右打ち。将来の夢はプロ野球選手。