【老犬を介護】「いつまで一緒にいられるかわからないし…」16歳の老犬の介護のために仕事を辞めて実家へ【著者に聞いた】
「いつも家族の中心にいて、ほほえみをくれた実家の大型犬。ある日、先が短いと知らされて――」一人暮らしをしていた漫画家つづ井(@wacchoichoi)さんのもとに知らせが入り、老犬と過ごすために仕事を辞めて実家へ帰った。老犬を介護し、最期を看取るまでの温かい日々を描く「老犬とつづ井」(文藝春秋)を紹介するとともに、つづ井さんに本作に秘めた想いを聞いた。 【漫画】本編を読む ■老犬との最後の日々はうっすらもの悲しく穏やかで、とても大切な時間だった 作者のつづ井さんに、本作が生まれたきっかけを伺うと「おじいちゃんになったAとの生活は、うっすらもの悲しくてとても穏やかで、私にとってとても大切な時間になりました。Aを看取ってから、あの毎日を私の大好きな絵日記という形で残しておきたいなと考えていたところ、編集さんに声をかけてもらい『老犬とつづ井』を描くことになりました」と教えてくれた。老犬の最期を看取るまでの大切な日々を形にしたいという思いがあったそうだ。 描く前と後で、何か気持ちの変化はあったのだろうか。つづ井さんは「絵日記にするにあたってAのことを細かに思い出したり写真を見返したりするたびに、だんだんAについて考えるときの自分の気持ちが、悲しいだけではなくなっていく感覚がありました。この絵日記を描くことは私にとって、Aがもういないということを受容するための大切な作業だったなと今となっては感じています」と語ってくれた。 最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いすると「既に読んでくださった方、ありがとうございます!楽しんでいただけていたらうれしいです。なかには、まだ自分はこの本が読めないなって感じている方もいるだろうと思います。今すぐではなくでも、この本が必要な方に、必要なタイミングで届いたら嬉しいなと思っています」と、同じような体験をした方の心情も思いはかってくれた。 大切な家族であるペットとの別れは悲しいものだが、その悲しみを癒し、昇華させてくれる本作を、ぜひ「必要な方」に読んでいただきたい。 取材協力:つづ井(@wacchoichoi)