長嶋茂雄氏は打席でズルしていた!? 稀代の“ホームランアーチスト”田淵幸一氏が語ったON秘話 実は巨人から「背番号2」を約束されていた
六大学で長嶋氏超え
東京六大学野球で法政大学の主軸として活躍した田淵氏はリーグ新記録となる通算22本のホームランを放った。それまでは立教大学の長嶋茂雄氏らが記録した8本が最高で、この記録を大幅に塗り替えた。 徳光: 長嶋さんがホームランを8本打って、この記録はずっと破られてなかったんですけど、田淵さんはいとも簡単に22本打っちゃったじゃないですか。あれは何年生のときに超えたんですか。 田淵: 3年の春ですかね。8号、9号と連発で打ってね。最終的には22本打ったんですけどね。 徳光: あの時は、私はほんとに悔しくてね。私は神宮で長嶋さんの8号を見て、立教大学に入り、「実況したい」という思いからアナウンサーの道に進んだわけですよ。 田淵さんはその8本の記録をいとも簡単に抜いて、気が付いたら22本。 田淵: だけど僕だって、長嶋さんファンっていうのかな、長嶋さんを目標にしてましたよ。大きな山でしたからね。 徳光: でも、その田淵さんの22本を慶應大学の高橋由伸が29年ぶりに破るわけです。 田淵: それが法政の安藤優也(現・阪神コーチ)というピッチャーで。会ったとき、「お前、何で打たしたんだよ」って言いました(笑)。
長嶋氏は打席でズル!?
田淵: 私、キャッチャーやってるでしょ。ミスターが江夏(豊)に3三振するじゃないですか。4打席目に何するかっていうと、バッターボックスの後ろのほう、キャッチャー寄りのラインを足で消すんですよ。何でだか分かります? 徳光: 何だろう。 田淵: (ピッチャーとバッターの距離を)18m44cmより長くするため、ズルするんですよ。バッターボックスから外れてるんですよ。「ミスター、ちょっとバッターボックスから出てますよ」って言ったら、「ああ、ごめんね」で終わりだからね。 徳光: それは明らかに計算なわけですね。 田淵: それに、ミットを構えてたら、たまにミスターと目が合うんですよ。インコースに構えてるかアウトコースに構えてるか、カンニングしてるんですよ。 田淵: 「ミスター、カンニングしちゃいけませんよ」って言ったら、「田淵君、何言ってんの。左目でピッチャーを見て、右目でキャッチャーを見てるだけだよ」って。すごい人だなって思って、俺もやってみたけど、できるわけねえじゃん。片方しか見えないっつうの。そんなことを平気で言うんですよ。 誰も思いつかないことをあの人はやってきた。
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