女子フィギュア北京五輪代表“ロシア最強3人娘”に日本の坂本花織、樋口新葉、河辺愛菜は勝負できるのか…天才ワリエワの金メダルは動かず?!
女子フィギュアのシングルで表彰台独占を狙うロシアの五輪代表3人が発表された。ロシア選手権、欧州選手権と続けて優勝、今季歴代最高得点を3度塗り替えたカミラ・ワリエワ(15)、昨季の世界王者で欧州選手権で2位に入ったアンナ・シェルバコワ(17)、フリーで4回転を4種類4本跳ぶアレクサンドラ・トゥルソワ(17)の最強トリオだ。ロシアはドーピング問題で国としての五輪参加が禁じられているため「ロシア・オリンピック委員会(ROC)」として参加する。 対する日本の代表は、2大会連続出場となる坂本花織(21、シスメックス)、樋口新葉(21、明治大学/ノエビア)、河辺愛菜(17、木下アカデミー)の3人。ロシアの牙城を崩して表彰台の一角に食い込むことができるのか。
“歴代最高”ワリエワの強さの理由とは?
欧州選手権で関係者の度肝を抜いたのは、今季世界最高得点を3度塗り替えているワリエワの演技だった。SPでは、ロシア杯で叩き出した得点を3.03点も上回り、歴代最高記録を塗り替える90.45をマーク。フリーでは、冒頭の4回転サルコウを両手を上げて成功させGOEを4.43も加点された。 だが、続く3回転アクセルで転倒、後半の4回トゥループ+オイラー+3回転サルコウのトリプルコンビネーションが、オイラージャンプにミスがあり乱れたため、コンビネーションと認められず、基礎点とGOEを含めて9点近くを失い、またコレオステップシークエンスでは珍しくよろけてバランスを崩した。168.61とフリーの得点は伸びず、演技終了後は、手をおでこにあてて悔しそうな表情を浮かべた。 メダリスト会見で「すべてがうまくいったわけではない」と反省を口にした。氷のコンディションと、初出場となる欧州選手権の舞台がメンタルに影響を与えたようだが、合計259.06点で2位のシェルバコワに21.64点差をつけて圧勝した。 フィギュアの専門家の1人は、「ワリエワの北京五輪金メダルが動かないことを示した演技だった」と評価した。 「2本目のジャンプとなる3回転アクセルで着氷に成功しながらも転倒した。普通ならば一気にリズムを失い後半はボロボロになってもおかしくないのに動揺せず立て直したところに強さを感じた。4回転のトリプルコンビネーションは認められなかったが、流れは失わず、後ろのジャンプもしっかり飛んだことで演技構成点に大きな影響はなかった。そもそものプログラムの難易度が高く基礎点を持っているため、コレオの乱れも含めて3つのミスをしたのに、ノーミスで滑り切ったシェルバコワよりもフリーの得点は上だったのだ。ワリエワの凄さは、軸が細いジャンプの質の高さと安定感もさることながら、スケーティングそのものや、ジャンプのつなぎの部分も含め、シニア1年目ですでに演技、表現力を備えていること。女子では歴代最高の選手と言っても過言ではない。五輪で負けないことを示したと思う」