女子フィギュア北京五輪代表“ロシア最強3人娘”に日本の坂本花織、樋口新葉、河辺愛菜は勝負できるのか…天才ワリエワの金メダルは動かず?!
新型コロナの影響でGPファイナルが中止となったため、ジュニアからシニアに転向して初年度のワリエワにとって、この欧州選手権は、ジャッジに演技構成点の印象をしっかりと残す“北京五輪前哨戦”の意義もあった。その意味で、ここで演技構成点が75.03でノーミスのシェルバコワの74.27点より評価されたことが大きかったのである。 また足のケガもありロシア選手権では精彩を欠いた演技で3位となり、7位だった元世界王者のエリザベータ・トゥクタミシェワ(25)との代表選考論争に巻き込まれていたシェルバコワも2位に入った。SPでは3回転ルッツで転倒するなど4位と出遅れたが、フリーは、圧巻のパーフェクトな演技で挽回して“代表選考論争“に終止符を打った。またトゥルソワも、SPでは3回転アクセル、フリーでは4回転を4種類4本も入れる男子顔負けのプログラムに挑戦。フリーでは4回転フリップ、4回転サルコウと冒頭の2本を綺麗に決めて銅メダルを獲得した。 海外メディアは「北京五輪の表彰台もこの3人が独占する」との見方をしているが、日本の3人娘に牙城を崩す可能性はあるのだろうか。 今季GPシリーズNHK杯で優勝、全日本でも優勝して2大会連続の五輪出場を決めた坂本の今季の国際大会での自己ベストは、そのNHK杯の223.34点。樋口は、GPシリーズのフランス杯で3位に入り、全日本では2位。今季の同自己ベストは、スケートカナダ205.27だが3回転アクセルという武器を持つ。17歳の河辺も3回転アクセルを全日本で成功させて“3枚目”の代表切符をゲットした。だが、3人共、欧州選手権で3位だったトゥルソワの234.36点にはとても及ばない。ロシア3人娘の壁はかなり高いが、「メダルの可能性はある」と予想するフィギュア関係者もいる。 ただ、そこには条件が付くという。 「ワリエワの金メダルは動かないでしょう。日本勢にチャンスがあるとすれば銅メダルです。ただし条件はつきます。まず日本勢がSPで得点をリードしておくこと。そして、トゥルソワ、シェルバコワが、フリーで転倒を含む、演技構成点に影響を及ぼすほどの大きなミスを複数回して、逆に日本勢が、ノーミスの演技でフリーを滑りきることです」